米国のGDP成長率(2015年7-9月期速報値)~最終需要は堅調だが、在庫投資が足を引っ張る~

2015/10/30

米国のGDP成長率(7-9月期速報値)~最終需要は堅調だが、在庫投資が足を引っ張る~

【ポイント1】成長率は前期に比べ鈍化

在庫投資が大幅に減少
■米商務省が10月29日に公表した2015年7-9月期の実質GDP成長率(速報値)は前期比年率+1.5%となりました。前期の+3.9%から鈍化しましたが、市場予想の+1.6%とほぼ一致しました。

■個人消費や住宅投資といった国内最終需要が堅調だったのに対し、在庫投資が前期に比べて大幅に減少したことが鈍化の原因です。

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【ポイント2】家計の支出は堅調を持続

原油安等から設備投資は低調
■需要項目別に見ると、個人消費は前期比年率+3.2%でした。前期の+3.6%から鈍化したものの、良好な雇用・所得環境を背景に+3%台の伸びは確保しています。 

■住宅投資も同+6.1%と堅調でした。他方、設備投資は前期の同+4.1%から同+2.1%に一段と鈍化しました。原油価格下落の影響でエネルギー関連の投資が縮小したためです。

 ■在庫投資の寄与度は▲1.4%もの落ち込みとなりました(前期の寄与度はゼロ)。年前半の大幅な積み増しの反動と考えられます。

 

【今後の展開】景気は個人消費を軸に緩やかな拡大を続ける見通し

■景気は、緩やかな拡大を持続する見通しです。海外経済の減速により輸出の拡大は見込み薄ですが、民間消費、住宅投資など家計支出の堅調な増加が引き続き予想されるためです。

■10月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、12月利上げの可能性も示唆されました。7-9月期GDP統計の内容は、それを否定するようなものではないと考えられます。

(2015年10月30日) 

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