モディノミクスで「直接投資」は順調(インド)

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昨年5月に発足したモディ政権は、経済の活性化を狙い、規制緩和、税制改正、インフラ整備などの経済構造改革(モディノミクス)を進めています。こうした取り組みに加え、首相自ら日本、欧米などを歴訪して企業誘致を促したこともあり、海外からの「直接投資」(企業買収や土地・設備の取得など)の純流入額は増加傾向にあります。

【ポイント1】 「直接投資」の純流入額は増加傾向

安定的な国際収支はインドルピーの安定化要因に

■2015年4-6月期の「直接投資」純流入額は102億米ドルと、四半期としては過去最大だった前期(96億米ドル)をさらに上回りました。経常収支(貿易やサービスの収支)は62億米ドルの赤字でしたが、「直接投資」の流入で赤字を十分埋められています。

 ■4-6月期の証券投資は、26億米ドルの純流出に転じました。純流出は7四半期ぶりです。市場のリスク回避の動きがこの要因ですが、経常収支の赤字と合わせた額を「直接投資」の純流入額が埋め合わせしています。外貨準備額は増加しており、安定的な国際収支はインドルピーの安定化要因になっています。

【ポイント2】外国からの出資規制を緩和

保険業でも出資上限を引き上げ
■モディ政権は、外国から国内企業に出資する際の株式取得制限の緩和を進めています。昨年8月には、外国企業が取得できる防衛関連企業の株式比率を26%から49%に引き上げました。

■保険分野では、昨年7月に海外からの出資上限を26%から49%に引き上げる政策を決定しており、今年3月に関連法案が議会で承認されました。

■外国からの出資規制の緩和が進んでおり、「直接投資」の拡大は今後も続きそうです。

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【今後の展開】さらなる規制緩和や法整備による「直接投資」の拡大に期待

■銀行業にも外国からの出資規制緩和の動き?
報道によると、政府は外国資本による民間銀行への出資比率の上限を74%から100%に引き上げる法案を策定している模様です。モディノミクスが進むことにより、外国企業の「直接投資」拡大による景気の加速、国際収支の改善が期待されます。

■法整備による「直接投資」拡大にも期待
夏季国会では、モディノミクスの目玉とされる物品・サービス税(GST)と土地収用に関する法案審議が足踏みしました。両法案は、税務や土地買収などの大幅な簡素化につながるため、「直接投資」の拡大要因として早期の成立が期待されます。

(2015年10月28日)

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