インドは今月の「利下げ」が濃厚(インド)
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インド準備銀行(中央銀行、RBI)は、今年1月、3月、6月に「利下げ」を行い、政策金利を現在7.25%としています。物価がRBIの目標である年+6%(2016年1月時点)を下回り、安定していることが背景です。ラジャンRBI総裁は、6月に物価が上振れたことなどから8月の前回会合で政策金利を据え置きとしましたが、足元では追加「利下げ」期待が高まっています。 |
【ポイント1】物価安定で「利下げ」期待が高まる
次回会合の29日を前に、臨時に実施するとの見方も
■14日に発表された8月の消費者物価指数は、前年同月比+3.66%(7月は同+3.69%、6月は同+5.40%)と、当面の物価目標を大きく下回りました。昨年高騰した食品価格が比較的落ち着いていることや、原油安、景気過熱感が無いことなどが、物価安定の背景です。
■2カ月連続で物価上昇率が3%台にとどまったことを受け、今月29日の会合で「利下げ」を実施するとの見方が濃厚です。また一部では、予定よりも前に臨時会合を開催して「利下げ」を実施するとの見方もあります。
【ポイント2】一部に物価上振れの兆し
農産物高騰とルピー安の判断に注目
■消費者物価指数の前月比で野菜価格の足元の状況を見ると、8月は+8.5%と高い伸びになりました。モンスーンシーズン(6月~9月)の降雨量が例年より少ないため、不作の農産物の価格上昇が警戒されます。また、為替市場で進んでいる米ドル高インドルピー安も物価上振れ要因になりそうです。
■次回の会合では、足元の物価安定から利下げ実施が濃厚ですが、農産物高騰とルピー安へのRBIの判断がその先の政策を見極める上で重要といえます。
【今後の展開】米国金融政策をにらみながら、利下げにより景気を支援
■米国の利上げ見送りは目先のルピー高要因
RBIの金融政策を見る上では、本日発表される米公開市場委員会(FOMC)の決定内容や今後の政策の示唆などが重要な注目点です。利上げが見送られ、米ドル安ルピー高になる場合には、RBIの利下げに対する期待がさらに高まると思われます。
■利下げが景気を支援
インドの4-6月期実質GDP成長率は前年同期比+7.0%となりました。物価の安定とRBIの利下げが個人消費などを支えています。利下げは短期的にルピー安要因ですが、景気下支え効果に注目が集まれば、ルピーにプラスになると期待されます。
(2015年9月17日)
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