主要国のリート市場の最近の動向(8月)~世界的に堅調な不動産市場に支えられ底固い展開へ~
主要国のリート市場の最近の動向(8月)~世界的に堅調な不動産市場に支えられ底固い展開へ~
【ポイント1】世界的な株安につれ下落
為替要因もマイナス
■8月のグローバル・リート市場は、中国の景気減速懸念を背景とした世界的な株安につれ、円ベースで▲8.7%と下落しました。
■為替市場では、リスク回避の動きが強まり、主要通貨は円に対し下落し、為替要因はマイナス寄与となりました。特に豪ドルとシンガポールドルの下落が大きめとなりました。
【ポイント2】全市場が下落
アジアの下落が比較的大きい
■各地域を現地通貨ベースで見ると、米国市場は、堅調な雇用情勢などを背景に中旬までは底堅く推移したものの、月後半は世界的な株安につれ、下落しました。欧州市場は、ユーロ圏の4-6月期GDP成長率が市場予想を下回ったことや世界的な株安が影響しました。
■中国の景気減速懸念は、アジア市場に比較的大きく影響しました。香港は、本土からの旅行者による消費の減速で小売業向けリートへの影響が不安視されました。シンガポールは、自国の景気が相対的に弱いことも要因となりました。
【今後の展開】世界的に堅調な不動産市場が、リート市場を下支え
■中国の景気は、景気対策の余地から大きな下振れは回避されそうです。世界的な不動産市場への影響は限定的と見られます。
■ 年内に見込まれる米国の利上げは、物価上昇が緩やかとなる見込みから、国債利回りの上昇も緩やかなものにとどまり、この要因についてもリート市場への影響は限定的となりそうです。
■ 世界的に堅調な不動産市場に支えられ、リートの配当は安定的な成長が続く見込みです。グローバル・リート市場は、相対的に高い配当利回りにも支えられ、底堅い展開となることが期待されます。
(2015年9月9日)
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