「インバウンド消費」拡大が続く(日本)
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「インバウンド消費」とは、外国人旅行者による日本国内での消費のことです。「インバウンド消費」の動向は、観光庁が3カ月ごとに発表する“訪日外国人の消費動向”で把握することができます。同報告書では、“訪日外国人の旅行消費額”(「インバウンド消費」)をアンケート調査に基づいて推計しています。滞在期間や目的、滞在中の行動なども知ることができます。 |
【ポイント1】 4-6月期の「インバウンド消費」は前年同期比で82.5%増
小売業以外の業種にも恩恵が広がる
■観光庁が7月31日に発表した“訪日外国人の消費動向”によると、2015年4-6月期の“訪日外国人旅行消費額”(「インバウンド消費」)は前年同期比+82.5%の8,887億円と大幅に増加しました。国・地域別では、全体の4割を占める中国が同3.2倍の3,581億円となり、伸びをけん引しました。台湾(同+57.9%)や、韓国(同+42.0%)、香港(同+85.3%)もそれぞれ大きく増加しました。
■費目別では、買物代が同2.3倍の3,856億円となり、宿泊料金、飲食費、交通費、娯楽サービス費、その他のすべての費目が同50%を超える増加となりました。「インバウンド消費」の拡大によって、小売業だけでなくホテルや交通機関などいろいろな業種に恩恵が広がっています。
【ポイント2】 外国人旅行者数は年1,800万人超のペース
中国株安の影響は限定的か
■日本政府観光局(JNTO)が7月22日に発表した2015年1-6月累計の“訪日外客数”は、前年同期比+46.0%の914万人と年間で1,800万人超のペースとなっています。政府は2020年に外国人旅行者数を2,000万人に拡大する目標を掲げていますが、2016年にも目標が達成される勢いです。
■国・地域別の構成比を見ると、中国が23.8%でトップです。次いで韓国が19.9%、台湾が19.6%と続きます。中国の株安による影響が懸念されますが、追加金融緩和や財政拡大など政策の余地は大きく、中国株式市場が落ちつきを取り戻せば、中国株安の影響は限定的と見られます。また、中国以外の国・地域からの旅行者の増加は続くと見られ、総じて堅調に推移すると思われます。
【今後の展開】「インバウンド消費」拡大による消費下支えは続く見通し
■企業決算にも好影響
「インバウンド消費」の拡大は、化粧品や百貨店、交通機関など一部企業の4-6月期決算に好影響を与えました。「インバウンド消費」は、内需関連企業にとって有望市場の一つに育っています。
■東京オリンピックに向け外国人旅行者増は続く
2020年の東京オリンピックに向け、政府の外国人旅行者の誘致政策はさらに強化される方向です。「インバウンド消費」拡大による消費の下支えは今後も続くことが期待されます。
(2015年8月4日)
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