最近の指標から見るインド経済(2015年7月)~利下げや構造改革の効果に期待~

2015/07/14

最近の指標から見るインド経済(2015年7月)~利下げや構造改革の効果に期待~

【ポイント1】 利下げなどから生産は堅調

企業景況感は良好
■5月の鉱工業生産指数は前年同月比+2.7%と前月の同+3.4%(改定値)から低下したものの、年3%前後の拡大基調を維持しています。インド準備銀行(中央銀行、RBI)による利下げやモディ政権の構造改革が下支えとなり、生産は底堅く推移しています。
■6月の製造業PMI(購買担当者指数)は51.3と、前月の52.6から低下したものの、好不況の境目の50.0を引き続き上回り、企業景況感は良好です。

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【ポイント2】食品が物価を小幅押し上げ

降雨量の推移が追加利下げのカギ

■RBIは、6月の会合で物価の落ち着きなどを考慮し、政策金利(レポ金利)を0.25%引き下げ、7.25%としました。
■6月の消費者物価指数は前年同月比+5.4%と、RBIの2016年1月の物価目標(同+6.0%)を引き続き下回りましたが、前月(同+5.0%)から上昇しました。豆類が同+22.2%となるなど、食品価格が全体を押し上げました。
■RBIは、食品価格に影響する降雨量の推移を注目しています。気象庁によると6月1日から7月8日までの降雨量は累計で平年を4%下回っていますが、今後降雨量が増え、野菜などの作柄や物価への懸念が薄らぐ場合には、RBIが次回会合(8月4日)に追加利下げを行いやすくなります。

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【今後の展開】景気拡大と、構造改革進展への期待がインドルピーの下支えに

■追加利下げ期待が高まると、ルピー安が警戒されますが、底堅い景気に勢いが増すとの見方が広がれば、ルピーの上昇要因になります。

■次期国会(7月21日~8月13日の予定)では、物品・サービス税(GST)導入や土地収用法などが審議される見込みです。これらの成立による海外からの投資増、ルピー高効果も期待されます。

 (2015年7月14日) 

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