最近の指標から見るインド経済(2015年5月)~物価の落ち着きから利下げ観測が強まる~
最近の指標から見るインド経済(5月)~物価の落ち着きから利下げ観測が強まる~
【ポイント1】生産は拡大基調
利下げなどが後押し
■3月の鉱工業生産指数は、前年同月比+2.1%と前月から伸びが鈍化しましたが、3カ月移動平均ではこのところ同+3%台で推移しており、生産は拡大基調が続いています。
■3月分の内訳を見ると、消費財が同▲0.7%と低迷した一方、資本財は同+7.6%と比較的高い伸びとなりました。インド準備銀行(中央銀行、RBI)による利下げ、原油安による企業のコスト低下、モディ政権の構造改革などを背景に、設備投資主導で生産の拡大基調が継続しています。
【ポイント2】物価は落ち着いた推移
追加利下げ観測が強まる
■4月の消費者物価指数は前年同月比+4.87%と、2月の同+5.37%を直近のピークに2カ月連続で低下しました。また、消費者食品物価指数は同+5.11%と前月の同+6.14%から低下しました。
■RBIは、4月7日の会合で政策金利(レポレート)を7.50%に据え置きましたが、物価動向次第で機動的に利下げを行い、景気を下支えする姿勢を続けています。1月と3月には臨時会合を開催し、0.25%ずつ利下げを実施しました。今年のモンスーンシーズン(6月から9月)の天候は、概ね平年並みとの予報が見られ、野菜など食品価格は落ち着いた推移が続きそうです。物価が安定的に推移するとの見方から、RBIが次回6月2日の会合で利下げを行うとの観測が強まっています。
【今後の展開】投資誘致や利下げによる景気下支え、税制改正などの構造改革に期待
■モディ首相は積極的に主要国を訪問し、投資誘致を呼びかけてきました。利下げによる景気下支えも期待され、設備投資を中心に景気は拡大傾向が続くと思われます。
■物品・サービス税(GST)や土地収用法などの法案を巡り、次期国会(7月~8月)に向けて与野党の対話機運が高まっています。これらの法案が成立すると構造改革前進への期待が高まります。
(2015年5月27日)
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