米国株式市場~好調な企業業績が下支え ワクチン開発、財政刺激策が景気・業績回復をサポート
米国株式市場~好調な企業業績が下支え
【ポイント1】7-9月期の当期純利益は前年同期比▲16.2%
9月末時点予想より大幅上方修正
■米国大統領選挙が11月3日に迫る中、7-9月期の決算発表が本格化しています。リフィニティブによれば、S&P500種指数採用企業の3割強が決算を発表しました。7-9月期の当期純利益は前年同期比▲16.2%の見通しです(10月27日発表時点)。これは9月末時点の予想(同▲21.5%)より改善しています。
【ポイント2】「銀行」、「素材」の減益幅が大幅に縮小
「ヘルスケア」、「情報技術」、「生活必需品」は増益に転換
■セクター別にみると、「エネルギー」以外はすべて上方修正となっています。なかでも「金融」は同▲4.0%と同▲22.1%より大幅に改善し、「素材」も同▲7.9%と同▲17.1%より減益幅が縮小しました。一方、「ヘルスケア」は同▲2.2%から同+4.3%、「情報技術」は同▲0.6%から同+0.4%、「生活必需品」は同▲5.3%から同+1.0%と増益に転じる見通しとなりました。米国景気の回復が、業績面からも確認できます。
【今後の展開】ワクチンの開発、財政刺激策が景気・業績回復をサポート
■来年7-9月期までの業績予想をみると、ここまでの減益の反動もあり、大幅な改善が続く見通しです。ただ、米国株式市場はこうした業績改善を既に織り込んでおり、業績のさらなる上振れが期待できるかが重要です。米国の企業業績がさらに改善するためには、(1)新型コロナウイルスに対するワクチン・治療薬の開発や使用開始にめどが立つ、(2)追加の財政刺激策が発動される、ことなどが必要と考えられます。いずれも、大統領選挙の結果に拘わらず、具体化せざるを得ない重要な政策課題です。
■まずは、ワクチンの開発や普及です。米国では11月、12月あたりにいくつかのワクチンが承認される見通しです。最初に必須ワーカーや高リスク者への接種が始まる公算が高まっています。感染第3波が懸念されていることもあり、ワクチンにめどが立ち、使用許可が与えられれば、景気・業績にとって大きなプラス要因になると期待されます。追加の財政刺激策は共和・民主両党間の交渉が難航しています。ただ、家計向け支援が21年の早い時点で合意されれば、消費の大幅な落ち込みが回避されると期待されます。ワクチンの開発、財政刺激策が業績の回復をサポートするとの確信が強まれば、米国株式市場も堅調に推移すると考えられます。
(2020年10月29日)
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