米雇用統計は失業率が大幅改善、雇用者数も4カ月連続改善 米株式市場は景気回復を背景に反転を見込む

2020/09/07

米雇用統計は失業率が大幅改善、雇用者数も4カ月連続改善

【ポイント1】失業率は8.4%へ大幅改善

米雇用者数は137万人増加

■米労働省が9月4日に発表した8月の雇用統計によれば、失業率は8.4%と前月の10.2%から1.8ポイント低下し、5カ月ぶりに10%を下回りました。市場予想(9.8%)を大きく上回る改善となりました。一方、非農業部門雇用者数は前月比137万人増と、事前の市場予想(135万人増)に沿った結果となり、前月の173万人増から更に鈍化したものの、4カ月連続の改善となりました。

■雇用者数の改善幅鈍化はやや気になりますが、雇用環境の改善を確認できる、まずまずの結果となりました。

【ポイント2】ここまで順調に回復するも、来月以降の改善幅に注目

■今回の雇用統計の結果から、3月、4月に失われた雇用の約48%が回復したこととなり、ここまでは雇用環境は順調に回復してきたと言えます。但し、今月も公的部門には国勢調査のための人員が含まれており、民間部門の改善幅は103万人とやや物足りない結果となっています。業種別にみると、小売業や専門ビジネスは順調に回復しましたが、余暇娯楽が先月から鈍化しており、建設業や製造業の改善も弱いままでした。

 

【今後の展開】足元、株式市場は下落も、景気回復を背景に、早晩反転を見込む

■4日のダウ工業株30種平均は、雇用統計を受け前日比48ドル高で寄り付きましたが、その後は前日の大幅下落の流れを継ぎ軟調に推移し、前日比159ドル安の2万8,133ドルで取引を終了しました。10年物国債利回りは0.08%上昇(価格は下落)し、円ドルレートはほぼ変わらずでした。

■米国株式市場は今月3日以降軟調に推移していますが、ここまでの株価上昇に対するスピード調整の可能性が高いと考えられます。米国経済は緩やかながら回復傾向にあり、金融・財政両面から強力なサポートが入っていることから、株式市場の下落は短期的な調整に留まり、次第に回復に向かうと考えられます。

(2020年9月7日)

印刷用PDFはこちら↓

米雇用統計は失業率が大幅改善、雇用者数も4カ月連続改善

関連マーケットレポート

2020年8月31日 FRBは2%超の物価容認の『新たな指針』を発表

2020年8月25日 米国ハイテク株は割高か?

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ