上昇の中休みに入った日本の小型株 米国市場を意識しつつ、企業活動の本格化を待つ展開

上昇の中休みに入った日本の小型株

【ポイント1】6月上旬まで堅調に推移した小型株

米国株式市場の上昇が追い風

■日本株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大と経済活動の自粛の影響が懸念されつつも、3月16日の年初来安値以降、6月中旬まで堅調な推移となりました。主要国・地域が大幅な金融緩和と積極的な財政政策を推し進めたことが背景です。特に米国株式市場がウィズコロナ関連銘柄を中心に大幅に上昇したことで、日本の小型株市場にも追い風となりました。小型株の動きをTOPIX Small500で確認すると、6月10日の戻り高値まで36.9%の上昇を達成しました。中でも小型株のグロース指数の上昇率は42.9%に達しました。中型・大型株の動きを代表するTOPIX500の戻り高値までの上昇率が31.4%でしたので、これを大きく上回ったことになります。

【ポイント2】6月中旬以降軟調な展開

米国の新型コロナウイルス再拡大懸念が重石

■しかし、6月中旬以降は小型株のみならず、日本株式市場は上値の重い展開となりました。新型コロナウイルス拡大第2波懸念でNYダウが1,800ドル超の下落(6月11日)となったことや、中国でも再び感染者数が増加(6月15日)したことなど、新型コロナの再拡大に対する懸念が要因です。

 

 

【今後の展開】米国市場を意識しつつ、企業活動の本格化を待つ展開となろう

■ウィズコロナ時代の株式市場をリードするセクターは、「情報技術」と「ヘルスケア」です。TOPIX Small500は、中・大型株の指数に比べると、「情報技術」のウエイトは高いのですが、「ヘルスケア」のウエイトが低いという特性があります。一方、「資本財・サービス」のウエイトが高いことを鑑みると、7-9月期以降の世界経済の回復が大きくなれば、生産の盛り返しと業績の改善期待も高まり、小型株が反騰する可能性はあると思われます。米国経済・株式市場、新型コロナの感染状況を意識した展開が続く中、企業活動がいつ本格化するかに注目したいと思います。

(2020年7月9日)

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上昇の中休みに入った日本の小型株 米国市場を意識しつつ、企業活動の本格化を待つ展開

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