FRBは政策金利を据え置き(2020年1月)新型肺炎の影響を警戒
FRBは政策金利を据え置き(2020年1月)新型肺炎の影響を警戒
■米連邦準備制度理事会(FRB)は1月29日、米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを1.50~1.75%に据え置くことを決定しました。政策金利の据え置きは2会合連続で市場の予想通りでした。
■一方、テクニカルな調整で超過準備預金金利と翌日物レポ金利を0.05%引き上げました。また、短期金融市場の安定のためのオペレーションを少なくとも4月まで行う方針を明らかにしました。
■声明文では、「雇用の拡大は底堅く、家計支出も緩やかに増加している」とし、「米国経済が緩やかに拡大している」との判断が維持されました。また、金融政策については「現在のスタンスが適切」とし、当面現在の政策金利を据え置く姿勢が示されました。
■ただし、会合後の記者会見でパウエル議長は、インフレ率が長期間目標を下回っていることへの懸念や、中国で発生した新型肺炎の感染拡大による世界経済への影響に対する警戒感を示しました。
【今後の展開】新型肺炎の影響に注目
■29日の米国債市場では、指標となる10年物国債利回りが前日比▲0.07%低下し(価格は上昇)、1.58%と昨年10月以来、約3カ月ぶりの低水準で終了しました。
■FRBはFOMCで政策金利の据え置きを決定し、声明文もほとんど変わりませんでしたが、債券市場は、パウエル議長の会見を受けて、大きく反応しました。インフレ率が目標を持続的に下回っていることへの懸念を示したことや、新型肺炎を警戒する発言が材料視されました。パウエル議長は、現状の世界経済の見通しは「慎重ながらも楽観的」と表現したものの、今後、新型肺炎の実体経済への影響等を注視する必要がありそうです。
(2020年1月30日)
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