世界の「投信マネー」(2019年12月)株式ファンドは「先進国」よりも「新興国」を選好
世界の「投信マネー」(2019年12月)
■12月の投信マネーは全体で+1,127億ドル(前月+1,036億ドル)と3カ月連続の1,000億ドル超でした。「MMF」が+601億ドル(同+372億ドル)と再び流入超過額が拡大しました。「債券」は+420億ドル(同+339億ドル)と流入超過が続いています。
■債券ファンドは、「先進国」が+370億ドル(同+323億ドル)と12カ月連続の流入超です。「北米」が+290億ドル(同+255億ドル)、「グローバル」が+24億ドル(同+95億ドル)でした。「新興国」は+49億ドル(同+16億ドル)でした。
株式ファンドは「先進国」よりも「新興国」を選好
■株式ファンドは+132億ドル(同+350億ドル)と流入超過額が減少しました。「先進国」が+4億ドル(同+257億ドル)にとどまった一方、「新興国」は+128億ドル(同+92億ドル)と超過額が拡大しました。「先進国」は、世界全体の株式に投資する「グローバル」が+28億ドル(同+135億ドル)に縮小し、「北米」は▲21億ドル(同+106億ドル)と流出超に転じました。「アジア(日本を含む)」は▲6億ドル(同▲12億ドル)でした。
■「新興国」は2カ月連続の流入超となりました。12月の中心は「EMアジア」で+80億ドル(同+25億ドル)となりました。「中国」が+45億ドル(同+2億ドル)、「韓国」が+39億ドル(同+14億ドル)と、米中貿易交渉の進展を背景に流入額が増加したと思われます。新興国全体に投資する「GEM」が+54億ドル(同+61億ドル)、「ラテンアメリカ」も+5億ドル(同+7億ドル)と流入超となりましたが、「EMEA」は▲11億ドル(同▲1億ドル)と再び流出超過額が拡大しました。
金融緩和の継続と業績回復期待から株式ファンドへの流入が続こう
■引き続き株式ファンドに資金が流入するかが焦点です。世界の株式市場は高値圏にありますが、(1)世界景気が回復途上にある中、金融政策は緩和状態が続く、(2)今後業績の回復が期待される、などから、株式ファンドへの資金流入は続くと期待されます。
(2020年1月7日)
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