一段と減速した中国経済(2019年11月)米中協議の部分合意の実現と更なる進展に注目
一段と減速した中国経済(2019年11月)
【ポイント1】固定資産投資は過去最低
■中国国家統計局は14日、主要経済指標を発表しました。1~10月の固定資産投資は前年同期比+5.2%と、1~9月(同+5.4%)から減速し、統計を遡れる1996年以降で過去最低となりました。
■固定資産投資の内訳をみると、約6割を占める民間投資が同+4.4%と、1~9月(同+4.7%)から更に鈍化しました。米中貿易摩擦の影響で引き続き民間企業の投資が抑制されています。インフラ投資も同+4.2%と、1~9月(同+4.5%)から鈍化しました。
【ポイント2】鉱工業生産が大幅鈍化
■10月の鉱工業生産は前年同月比+4.7%と、市場予想を下回り、9月(同+5.8%)から伸び率が大幅に縮小しました。自動車の生産が引き続き振るいませんでした。
■10月の小売売上高も前年同月比+7.2%と、市場予想を下回り、9月(同+7.8%)から鈍化しました。11月のインターネット販売の大規模セール前に買い控えが起こった可能性があります。
【今後の展開】部分合意の実現と米中協議の更なる進展に注目
■景気が一段と減速するなか、中国政府は景気対策を継続し、景気失速を回避させるとみられます。ただし、財政バラマキ抑制方針の下で、インフラ投資の拡大ペースは控えめとし、最優遇貸出金利(LPR)の採用によって貸出金利を引き下げ、金融緩和への依存度を高めるとみられます。
■米中両政府は10月に行われた閣僚級貿易協議で、中国が農産品の購入再開で譲歩する代わりに、米国が追加関税を見直す暫定的な「部分合意」に達していますが、その実現と更なる合意に向けた米中協議の進展があるかが注目されます。
(2019年11月14日)
印刷用PDFはこちら↓
一段と減速した中国経済(2019年11月)米中協議の部分合意の実現と更なる進展に注目
関連マーケットレポート
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会