オーストラリアリート市場:住宅価格底入れの兆し 低金利環境が引き続きリート市場の支援材料に

2019/08/29

オーストラリアリート市場:住宅価格底入れの兆し

【ポイント1】豪リート市場は堅調に推移

円ベースでは下落

■オーストラリアのリート市場は、豪州準備銀行(RBA) の利下げが支援材料となり、7月末比で+0.7%と概ね堅調に推移しています(現地通貨ベース、8月28日時点)。一方、8月に入り米中対立への懸念が一段と高まったことや、RBAの利下げを受けて円高が進行したことから、円ベースでは同▲4.0%と下落しています。

■世界的な低金利環境が続く中、RBAは6、7月と2カ月連続で政策金利を引き下げました。また、経済情勢次第での追加利下げにも含みを持たせており、オーストラリアの10年国債利回りは28日時点で0.89%まで低下しています。一方、リートの配当利回りは7月時点で4.4%と魅力的な水準となっています。

【ポイント2】住宅価格は底値圏か

物流・オフィスは好調

■住宅ローン貸し出し基準の厳格化などが下落要因となり調整が続いていた住宅価格は、シドニー、メルボルンなどで下落幅の拡大が止まりつつあるなど、足元で底入れの兆しが見られます。

■政府は、景気刺激策として所得税減税や、住宅購入支援策として住宅ローン貸し出し基準の緩和を打ち出しており、初回購入者を中心とした住宅ローンの借り入れ拡大が今後期待されます。また、物流やオフィス市況は好調で、賃料は緩やかな上昇基調が続いています。

【今後の展開】低金利環境が引き続き支援材料となろう

■米中対立の激化により世界経済の先行きが不透明感を増す中、オーストラリア経済は政府の所得税減税などの景気刺激策や、RBAによる利下げなどが下支えとなりそうです。利下げや世界的な低金利環境が続くと見られるほか、景気刺激策効果が徐々に個人消費の増加を通じてリートの収益にも好影響を与えることが期待されることから、リート市場は堅調に推移すると見られます。また、足元の豪ドルの下落基調にも一巡感が出ています。

(2019年8月29日)

印刷用PDFはこちら↓

オーストラリアリート市場:住宅価格底入れの兆し 低金利環境が引き続きリート市場の支援材料に

関連マーケットレポート

2019年8月27日 オーストラリア マーケット動向(2019/8/27)
2019年8月22日 豪ドル為替相場は底入れを探る展開(2019年8月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ