一段と減速した中国経済(2019年8月)生産、投資、消費が下振れ

2019/08/14

一段と減速した中国経済(2019年8月)生産、投資、消費が下振れ

【ポイント1】鉱工業生産が大きく鈍化20190814ch1

小売売上高も前月から大きく減速

■中国国家統計局は14日、主要経済指標を発表しました。7月の鉱工業生産は前年同月比+4.8%と市場予想の同+6.0%を下回り、6月(同+6.3%)から伸び率が大きく鈍化しました。自動車生産の2桁減少が続いているほか、産業用ロボットなどの生産も振るいませんでした。

■7月の小売売上高も前年同月比+7.6%と、市場予想の同+8.6%を下回り、6月(同+9.8%)から大幅に鈍化しました。6月に排ガス規制の駆け込みがあった自動車販売の反動が出たものとみられます。

【ポイント2】固定資産投資も減速20190814ch2

民間投資の伸びが鈍化

■1~7月の固定資産投資は前年同期比+5.7%と、市場予想の同+5.8%を下回り、1~6月(同+5.8%)から減速しました。

■固定資産投資の内訳をみると、約6割を占める民間投資が同+5.4%と、1~6月(同+5.7%)から伸びが鈍化しました。米中貿易摩擦の激化が民間企業の投資意欲を抑制しているとみられます。

【今後の展開】米中対立が続くなか、中国政府は景気対策を継続

■7月の主要経済指標によれば、米中貿易摩擦が激化したことで、中国の景況感が悪化し、生産や投資、消費の下振れにつながったと考えられます。トランプ大統領は8月1日、ほぼすべての中国製品に制裁関税を広げる「第4弾」の発動を表明しました。これについて米通商代表部は13日、一部品目の発動を12月に先送りすると発表しました。ただし、第4弾の関税自体は予定通り9月に発動される見込みであり、中国の景況感が直ちに改善することはないと思われます。景気に下押し圧力がかかるなか、今後も中国政府は19年の成長率目標「6.0~6.5%」の達成に向けて景気対策を継続し、景気失速を回避させるとみられます。

(2019年08月15日)

印刷用PDFはこちら↓

一段と減速した中国経済(2019年8月)生産、投資、消費が下振れ

関連マーケットレポート

2019年8月 7日 再び下落した中国株式市場
2019年7月16日 減速傾向が続く中国経済(2019年7月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ