豪州の金融政策:2会合連続の利下げ(2019年7月)豪州の政策効果や中国経済の落ちつきが豪ドルを下支え
豪州の金融政策:2会合連続の利下げ(2019年7月)
政策金利は1.25%から1.00%へ
■豪州準備銀行(RBA)は、7月2日に開催した金融政策決定会合で、市場予想どおり、政策金利を1.25%から1.00%へ引き下げました。利下げは6月に続いて2会合連続となります。
【ポイント2】失業率には更なる低下余地
■RBAの声明文によれば、今回の利下げは6月と同様、雇用の増加をサポートし、インフレが目標に到達する確信度を高めるために実施したとしています。
■労働市場については、雇用者の伸びは強いと評価した一方、賃金の伸びの鈍さなどを指摘しました。失業率については、足元の小幅上昇を指摘したうえで、低下余地があることが示唆されるとしました。
■今後については、引き続き労働市場を注視するとしたうえで、状況次第で追加利下げを実施する可能性を否定しませんでした。
【今後の展開】豪州の政策効果や中国経済の落ちつきが豪ドルを下支え
■今後は利下げによる住宅・設備投資の活発化が予想されるほか、財政政策も期待されます。所得税減税法案は今週中に議会で審議される可能性があり、成立する公算が大きいと報じられています。
■6月29日の米中首脳会談では、貿易協議の再開や対中制裁関税第4弾(3,000億米ドル分の中国製品に対する制裁関税)の発動見送りなどが決まりました。これは中国の景気減速懸念の後退につながると期待され、中国を最大の貿易相手国とする豪州にもポジティブな結果と考えられます。
■豪ドルは本日の利下げ決定時に下落したものの、その後はすぐに下落前の水準を回復しました。今後は豪州の政策効果や中国経済の落ちつきが豪ドルの下支えとなることが期待されます。
(2019年7月2日)
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