米中間選挙の焦点と予想される市場の反応

2018/09/19

市川レポート(No.561)米中間選挙の焦点と予想される市場の反応

  • 中間選挙で上院は共和党勝利の可能性が高く、市場の関心は下院の選挙結果に移りつつある。
  • 上院で共和党勝利、下院で民主党勝利の場合は、ほぼコンセンサスでリスクオフの反応は一時的。
  • 上下両院とも共和党勝利なら政策安定でリスクオン、民主党勝利なら政策行き詰まりでリスクオフ。

中間選挙で上院は共和党勝利の可能性が高く、市場の関心は下院の選挙結果に移りつつある

米国では11月6日に中間選挙が行われます。中間選挙では、上院の定数100議席のうち、3分の1に相当する33議席(今回は補欠選挙2議席を含めて35議席)が、下院の定数435議席の全議席が、それぞれ改選されます。現在、共和党の保有議席数は上院が51、下院が236、民主党は上院が49、下院が193であり、共和党が上下両院で過半数を握っています(図表1)。

なお、今回の中間選挙における上院の改選は、共和党がわずか9議席に対し、民主党は26議席です。共和党が圧倒的に有利であることから、上院では共和党が勝利する可能性が高いとみられます。そのため、市場参加者の関心は、下院の選挙結果に移りつつあります。下院で共和党がどれだけ議席を確保できるか、また、民主党がどれだけ巻き返せるか、その結果次第で、市場の反応が変わってくる可能性があります。

上院で共和党勝利、下院で民主党勝利の場合は、ほぼコンセンサスでリスクオフの反応は一時的

そこで、選挙結果を3つのケースに分け、それぞれで予想される市場の反応について考えます(図表2)。1つめは、「上院で共和党勝利、下院で民主党勝利」という、いわゆる「ねじれ議会」のケースです。この場合、共和党主導で予算を編成できなくなるため、追加減税など過度に拡張的な財政路線は修正を余儀なくされます。また、予算審議が難航すれば、政府閉鎖のリスクが高まります。さらに、下院が大統領の弾劾発議を過半数で可決することも想定されます。

いずれも市場がリスクオフ(回避)で反応しやすい材料です。ただ、民主党も景気次第では小幅な財政支出を認める可能性があり、政府閉鎖は発生しても短期間で終了するとみています。また、弾劾成立には上院の3分の2の賛成が必要であるため、実際の成立は困難と思われます。さらに、ねじれ議会のシナリオは、市場でコンセンサスとなりつつあるため、実際にそのような結果となっても、市場のリスクオフの反応は一時的とみられます。

上下両院とも共和党勝利なら政策安定でリスクオン、民主党勝利なら政策行き詰まりでリスクオフ

2つめは、「上下両院で共和党勝利」という、トランプ米政権が国民の信任を得たケースです。この場合、政権運営に大きな弾みがつくため、インフラ投資や移民対策などの公約は実現されやすくなり、追加減税の実現性も高まると思われます。米国の金融市場では、株価上昇、国債利回り上昇(価格は下落)、米ドル高という、リスクオンの反応が予想されます。

3つめは、「上下両院で民主党勝利」というケースです。この場合、トランプ米大統領の政権運営は行き詰まります。財政は中立路線となって追加減税の実現性が低下し、大統領の弾劾リスクが増大します。トランプ米大統領は、権限の範囲内で、通商・安全保障の問題に取り組むと思われますが、米国の金融市場では、政策運営の不安定さが嫌気され、株価下落、国債利回り低下(価格は上昇)、米ドル安という、リスクオフの反応が予想されます。

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(2018年9月19日)

 

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