9月の注目イベントと予想される市場の反応

2018/09/05

市川レポート(No.553)9月の注目イベントと予想される市場の反応

  • 5日に米国とカナダのNAFTA再交渉協議が再開、6日に対中追加制裁関税の意見公募が終了。
  • 月内には、米自動車輸入制限に関する調査報告書の策定や、FFRの第2回会合の開催も予定。
  • 貿易問題の緊張が高まっても、米国株が堅調なら円全面高とならず、日本株への影響も限定的。

5日に米国とカナダのNAFTA再交渉協議が再開、6日に対中追加制裁関税の意見公募が終了

9月の注目イベントをまとめると、図表1の通りになります。やはり、米通商政策に関係するものが多く、これらに対する市場の関心は、引き続き高いと思われます。個別にみていくと、5日には米国とカナダの北米自由協定(NAFTA)再交渉の協議が再開されます。乳製品の取り扱いと紛争解決制度に関し、両国の歩み寄りがみられるかが焦点となります。ただ、協議が長引く可能性もあるため、予断を許さない状況です。

6日には、米通商代表部(USTR)が、2,000億ドル分の中国製品に対する制裁関税についての意見公募を締め切ります。その後、最終品目のリストが公表され、制裁関税が発動される見通しとなっています。市場では、少なくとも2,000億ドル分の一部について、追加関税が発動されるとの見方があります。一方、中国は600億ドル分の米国製品に対し、最大で25%の追加関税をかける報復措置を発表しており、中国側の動きも注目されます。

月内には、米自動車輸入制限に関する調査報告書の策定や、FFRの第2回会合の開催も予定

また、月内には、米商務省が自動車輸入制限の調査報告書を策定し、トランプ米大統領に提出する見込みであり、日米貿易協議(FFR)の2回目の会合も開催される予定です。8月のFFR初回会合において、米国側は2国間の自由貿易協定(FTA)を念頭に、農産品の関税引き下げを日本に要請、日本側は自動車関税引き上げの見送りを米国に要請しましたが、折り合いはつきませんでした。

この他、13日に開催されるトルコ中央銀行の金融政策決定会合も注目イベントです。トルコでは、3日に発表された8月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比17.9%上昇し、7月の同15.9%から伸びが加速しました。これを受け、トルコ中央銀行は同日、必要な措置を講じるとの声明を発表しました。そのため、大胆な利上げが実施されるのではないかとの期待が、市場に広がっています。

貿易問題の緊張が高まっても、米国株が堅調なら円全面高とならず、日本株への影響も限定的

9月相場も、米通商政策の進展に左右される時間帯が多くなると思われます。なお、最近の為替市場では、米中などで貿易問題を巡る緊張が高まると、米ドルが主要通貨に対し上昇する傾向がうかがえます。この時、確認すべきは、米国株の動向です。貿易問題を巡る緊張が高まっても、米国株が堅調地合いを維持していれば、為替市場で円が全面高となる恐れは小さいと考えます。その結果、ドル円は小動きにとどまり、日本株への影響も限定されます。

逆に、貿易問題の緊張の高まりと米ドル高に対し、米国株が下落で反応した場合は注意が必要です。この時、為替市場で円が全面高となり、日本株の調整も大きくなると予想されます。なお、貿易問題の緊張が緩和に向かえば、為替市場では米ドル高の巻き戻しから、対主要通貨での米ドル安が見込まれます。ただ、貿易問題の緊張緩和は、リスクオフ(回避)後退を促す円安・株高材料ですので、ドル円はドル安と円安が打ち消し合う形で小動きとなっても、日米の株価は上昇が期待されます。

 

180905

(2018年9月5日)

 

市川レポート バックナンバーはこちら

http://www.smam-jp.com/market/ichikawa/index.html

三井住友アセットマネジメント株式会社
市川レポート 経済・相場のここに注目   三井住友アセットマネジメント株式会社
主要国のマクロ経済や金融市場に関する注目度の高い材料をとりあげて、様々な観点から分析を試みます。
●当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものであり、投資勧誘を目的として作成されたもの又は金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。本資料を投資の目的に使用したり、承認なく複製又は第三者への開示等を行うことを厳に禁じます。
●当資料の内容は、当社が行う投資信託および投資顧問契約における運用指図、投資判断とは異なることがありますので、ご了解下さい。

三井住友アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会