9月FOMCの結果と市場の解釈

2017/09/21

市川レポート(No.436)9月FOMCの結果と市場の解釈

  • 米金融当局の経済および金融政策の見方に大きな変化はなく、市場は比較的落ち着いた反応。
  • ただ、ドットチャートで改めて12月の利上げが示唆されたことから、為替市場ではドル高が進行した。
  • 総じてみれば市場はFOMCを無難に消化、10月のバランスシート縮小も混乱を招くことはなかろう。

 

米金融当局の経済および金融政策の見方に大きな変化はなく、市場は比較的落ち着いた反応

9月19日、20日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想通り、政策金利の据え置きと、10月からのバランスシート縮小開始が決定されました。また、FOMCメンバーの経済見通しでは、GDP成長率は2017年が上方修正、失業率は2018年と2019年が下方修正、食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)物価指数は2017年と2018年が下方修正されています。

そしてFOMC声明では、ハリケーンの経済への悪影響は一時的との見方が示されました。以上より、今回のFOMCからは、「物価はしばらく低水準で推移するものの、景気の底堅さは維持され、緩やかなペースで金融正常化を進めることができる」というメッセージが読み取れます。金融当局の、経済および金融政策の見方に大きな変化がなかったため、市場は比較的落ち着いた反応となりました。

 

ただ、ドットチャートで改めて12月の利上げが示唆されたことから、為替市場ではドル高が進行した

FOMCメンバーが適切と考える政策金利水準の分布(ドットチャート)をみると、政策金利の予想中央値は、2017年末が1.375%、2018年末が2.125%でした(図表1)。これらは前回6月と変わらず、年内は12月の利上げ、2018年は年3回の利上げを示唆しています。これを受け、市場では、足元の物価の伸び悩みは利上げ判断に影響しないとの見方から、12月利上げの織り込みが進み、為替はドル高で反応しました。

一方、2019年末の予想中央値は、前回の2.9375%から2.6875%に低下し、2019年は年3.252回の利上げ示唆から、年2.252回の利上げ示唆に下方修正となりました。また長期の予想中央値も、前回の3.00%から2.75%に低下しています。しかしながら、今回新たに示された2020年末の予想中央値は、長期の2.75%よりも高い2.875%となり、その結果、2020年は年0.75回の利上げ示唆となりました。この点もドル高要因になったと思われます。

 

総じてみれば市場はFOMCを無難に消化、10月のバランスシート縮小も混乱を招くことはなかろう

FOMCの「物価はしばらく低水準で推移するものの、景気の底堅さは維持され、緩やかなペースで金融正常化を進めることができる」というメッセージと、ドットチャートにより、市場では年内の利上げ観測が高まりました。ただ、その後の米国株や日本株が大きく崩れていないことを勘案すると、市場は今回のFOMCを無難に消化したと考えられます。

10月からはバランスシート縮小が開始されますが、基本方針はすでに6月に公表されているため、市場に大きな混乱はないと予想します。米連邦準備制度理事会(FRB)が目指すバランスシートの最終的な規模は明らかになっていませんが、基本方針に基づけば、現状、約4.5兆ドルのバランスシートは、3年程度で3兆ドルを割り込みます(図表2)。かなり緩やかなペースであるため、バランスシートの縮小要因だけで米長期金利が急騰し、市場に動揺が広がる可能性は低いと思われます。

 

 

 

 

170921

 

 

(2017年9月21日)

市川レポート バックナンバーはこちら

http://www.smam-jp.com/market/ichikawa/index.html

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
市川レポート 経済・相場のここに注目   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
主要国のマクロ経済や金融市場に関する注目度の高い材料をとりあげて、様々な観点から分析を試みます。
●当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものであり、投資勧誘を目的として作成されたもの又は金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。本資料を投資の目的に使用したり、承認なく複製又は第三者への開示等を行うことを厳に禁じます。
●当資料の内容は、当社が行う投資信託および投資顧問契約における運用指図、投資判断とは異なることがありますので、ご了解下さい。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

コラム&レポート Pick Up

このページのトップへ