テクニカル分析でみる日経平均株価の現在の立ち位置

2026/03/10

テクニカル分析でみる日経平均株価の現在の立ち位置

    • 日経平均の日足一目均衡表をみると、強い売りシグナルである三役逆転はまだ形成されていない。
    • 3月9日は雲下限が日経平均をサポート、ただ楽観はまだできず今後も雲のサポート機能に注目。
    • ただ、足元で多少大きめの調整が発生しても、長期的な上昇トレンドが大きく崩れる恐れは小さい。

日経平均の日足一目均衡表をみると、強い売りシグナルである三役逆転はまだ形成されていない

イラン情勢や原油相場の動向をにらみ、日経平均株価は不安定な値動きが続いています。そこで今回のレポートでは、テクニカル分析を用いて、日経平均の現在の立ち位置を確認します。まず、相場のトレンド判断に適した「トレンド系チャート」の代表格である「一目均衡表」からみていきます。日経平均の日足の一目均衡表は図表1の通りで、注目点は、①日足と雲の位置、②転換線と基準線の位置、③遅行線と日足の位置、の3点です。

日足が雲の下に位置し、かつ、転換線が基準線を下抜け、さらに、遅行線が26日前の日足を割り込んでいる場合、一目均衡表ではこれを「三役逆転」といい、強い売りシグナルと解釈されます。実際に図表1で、それぞれの位置を検証すると、日足(ローソク足の4本値の終値)は雲の上に位置、転換線と基準線は同じ値、遅行線のみ26日前の日足を割り込んでいる状態で、まだ三役逆転は形成されていません。

3月9日は雲下限が日経平均をサポート、ただ楽観はまだできず今後も雲のサポート機能に注目

なお、一目均衡表の雲は比較的強い抵抗帯とされており、例えば雲の上で推移していた日足が低下し、雲に接近した場合、雲自体が下値支持(サポート)になると解釈されます。この点を踏まえ、日経平均が急落した3月9日のレポートでは、下値目途として日足一目均衡表の雲下限である51,361円31銭を挙げました。日経平均の同日の安値は51,407円66銭となり、図表1の通り、日経平均は雲下限でいったんサポートされた形になっています。

一目均衡表の雲はこの先、緩やかな右肩上がりに推移していることから、引き続き雲が抵抗帯として機能していけば、日経平均の下振れリスクは次第に後退していくことが予想されます。ただ、前述の三役逆転は、3月9日時点でまだ形成されるには至っていませんが、転換線が基準線に接しており、それほど楽観できる状況にはないと思われます。そのため、当面は、雲が日足をしっかりサポートできるか否かが注目されます。

ただ、足元で多少大きめの調整が発生しても、長期的な上昇トレンドが大きく崩れる恐れは小さい

次に、同じくトレンド系チャートの「トレンドライン」をみていきます。日経平均は2012年以降、長期上昇トレンドを形成しています(図表2)。日経平均は2020年のコロナ・ショックで下値支持線を割り込んだものの、一時的なものにとどまり、2024年8月の急落(令和のブラックマンデー)では下値支持線を割り込むことはなく、2025年4月の米関税ショックでも下値支持線でしっかりサポートされました。

日経平均は2025年7-9月期から、これまでの長期上昇トレンドの上値抵抗線を明確に上抜け、より右肩上がりの新たな上昇トレンドを形成しつつあります。日経平均は先週来、不安定な動きが目立ちますが、長期の視点でみれば、すでに日経平均の水準自体がかなり切り上がっているため、足元で多少大きめの調整が発生しても、上昇トレンドが大きく崩れる恐れは小さいと考えます。

 

(2026年3月10日)

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