自民党の森山幹事長が辞意を表明~今後の政局を展望する
自民党の森山幹事長が辞意を表明~今後の政局を展望する
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- 森山幹事長ら役員は辞任表明も、石破首相は申し出を預かる考えを示し、職務は当面継続へ。
- 9月8日に臨時の総裁選が実施されるかが確認され、先行きの政局を読む上で重要なイベントに。
- 少数与党での国会運営は野党の協力が不可欠、どの野党と財政政策を進めるか見極めが大切。
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森山幹事長ら役員は辞任表明も、石破首相は申し出を預かる考えを示し、職務は当面継続へ
自民党は9月2日、両院議員総会を開催し、参議院選挙の敗因などを盛り込んだ総括をまとめ、臨時の総裁選挙の是非を問うための手続きを開始しました。石破茂首相は総会の冒頭、「(参院選の敗北は)私の責任であり、そのことから逃れることは決してできない」と述べた上で、物価高や関税交渉などの政策課題に道筋を示すことも責任であると強調し、「しかるべき時にきちんとした決断をすること」と発言しました。
なお、焦点となっていた党役員の進退について、森山裕幹事長は退任の意向を示し、進退の判断は石破首相に委ねる考えを表明しました。また、鈴木俊一総務会長と小野寺五典政務調査会長、木原誠二選挙対策委員長も、相次いで辞任の意向を石破首相に伝えました。ただ、役員の任期が今月末までであることも踏まえ、石破首相は辞任の申し出を預かる考えを示しており、森山幹事長らは当面職務を続ける見通しです。
9月8日に臨時の総裁選が実施されるかが確認され、先行きの政局を読む上で重要なイベントに
自民党では現在、臨時の総裁選の是非を問うための手続きが行われていますが、臨時の総裁選の実施には、国会議員295人と都道府県連の代表者47人の総数の過半数にあたる、172人の賛成が必要となります。9月8日には、実施を求める国会議員の書面の提出が行われ、その日のうちに都道府県連を含めた結果が公表される見込みのため、先行きの政局を読む上での重要なイベントとして、市場でも注目されています。
なお、森山幹事長の辞意表明は、9月2日の夕方(日本時間、以下同じ)に報じられましたが、為替市場ではドル高・円安が進行し、債券市場と株式市場では夜間取引において債券先物と日経平均先物が下落する動きがみられました。背景には、財政規律派とされる森山氏の辞意表明で与党の政策が財政拡張路線に向かいやすくなり、また、党内に混乱が広がれば、政局が一段と流動化するとの見方があるように思われます。
少数与党での国会運営は野党の協力が不可欠、どの野党と財政政策を進めるか見極めが大切
今後の政局については、いくつかのシナリオが考えられます。9月8日に臨時総裁選の見送りが決まれば、石破首相は続投となり、市場では与党が立憲民主党と連携し、財政健全化に配慮した政策をとるとの声も聞かれます。一方、実施が決まれば、誰が新総裁に選出されるかに関心が移り、複数の世論調査では、次の首相にふさわしい人として、高市早苗前経済安全保障相や小泉進次郎農林水産相の名前が挙がっています。
なお、高市氏は積極財政派とされ、野党では国民民主党が年収の壁見直しと消費税率の一律5%への引き下げを掲げています。また、小泉氏は維新の会の吉村洋文代表と親密とされています。ただ、少数与党である以上、①自民党新総裁が国会の首相指名選挙で必ずしも首相に選出されるとは限らず、②国会運営は野党の協力が不可欠です(図表)。そのため、与党がどの野党と協力して財政政策を進めるかの見極めも大切と考えます。
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- (2025年9月3日)

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