日経平均株価の変動幅を統計的に考える

2020/06/26

日経平均株価の変動幅を統計的に考える

  • 日経平均の値幅は現在7,757円76銭でリーマン・ショックの2008年の年間値幅に次ぐ大きさに。
  • 統計的な一定条件と確率のもとでは年内の変動幅は19,000円台後半から32,000円台後半。
  • 春先の株安発生確率は3割程度、仮に日経平均二番底でも、13,200円割れの確率は数%に。

日経平均の値幅は現在7,757円76銭でリーマン・ショックの2008年の年間値幅に次ぐ大きさに

日経平均株価について、年初からの動きを振り返ってみると、年明け以降は比較的底堅い動きが続き、1月17日には一時24,115円95銭の高値をつけました(取引時間中、以下同じ)。この水準が、現時点での年初来高値となります。その後、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、株価が急落し、3月19日には16,358円19銭の年初来安値をつけました。

年初来高値と年初来安値の値幅は、現時点で7,757円76銭に達していますが、これは近年では、リーマン・ショックが発生した2008年の年間値幅(8,161円76銭)に次ぐ大きさとなっています(図表1)。日経平均株価の先行きを展望した場合、新型コロナウイルスの感染動向次第では、値幅が更に拡大することも十分考えられ、変動幅の想定は非常に難しい状況にあるといえます。

統計的な一定条件と確率のもとでは年内の変動幅は19,000円台後半から32,000円台後半

そこで、日経平均株価について、過去のデータを使って、先行きの変動幅を統計的に考えてみます。1950年から 2019年までの70年間における日経平均株価の年間平均収益率(配当収益を除く)は11.1%です。同様に標準偏差を計算すると27.6%となります。標準偏差とは、各年の収益率が、平均収益率からどの程度離れているかを示したもので、ボラティリティ(変動率)あるいはリスクとみなすことができます。

では、これらの数値を使って2020年の日経平均株価の変動幅を推計してみます。2019年末の終値は23,656円62銭でしたので、株価の収益率が正規分布(図表2)に従うと仮定した場合、今年の日経平均株価は68.3%の確率で19,759円35銭から32,798円52銭の範囲におさまると考えられます。かなり広い変動幅ですが、過去のデータに基づいて計算し、統計的な仮定を置くと、このような値になります。

春先の株安発生確率は3割程度、仮に日経平均二番底でも、13,200円割れの確率は数%に

この範囲が意味するところは、日経平均株価の1年間の予想レンジではなく、一定条件と確率のもとで1年間に実現し得る株価の変動幅です。なお、今年の日経平均株価は、前述の通り、3月19日に16,358円19銭の年初来安値をつけており、変動幅の下限19,759円35銭を下抜けています。変動幅を上下に抜ける確率は100%-68.3%=31.7%ですので、これがコロナ・ショックとそれに伴う株安の発生確率だったことになります。

なお、日経平均株価のおさまる範囲の確率を68.3%から95.4%に引き上げた場合、変動幅は13,239円77銭から39,318円11銭に広がり、この変動幅を上下に抜ける確率は100%-95.4%=4.6%に低下します。新型コロナウイルスの感染第2波が世界的に広がり、各国の経済に再び深刻な影響を与えるような展開となれば、日経平均株価の二番底懸念は強まります。ただ、統計的には13,200円水準を割り込む確率は、かなり低いと考えられます。

(2020年6月26日)

市川レポート バックナンバーはこちら

http://www.smam-jp.com/market/ichikawa/index.html

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
市川レポート 経済・相場のここに注目   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
主要国のマクロ経済や金融市場に関する注目度の高い材料をとりあげて、様々な観点から分析を試みます。
●当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものであり、投資勧誘を目的として作成されたもの又は金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。本資料を投資の目的に使用したり、承認なく複製又は第三者への開示等を行うことを厳に禁じます。
●当資料の内容は、当社が行う投資信託および投資顧問契約における運用指図、投資判断とは異なることがありますので、ご了解下さい。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ