FRB、利上げ打ち止めか
▣ 予想通り0.25%の利上げ
米連邦準備理事会(FRB)は5月2日、3日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25%引き上げ、5.00~5.25%とすることを決めました(図表1)。昨年からの急速な利上げで、約16年ぶりの水準まで政策金利の水準が引き上げられました。金融不安がくすぶる中、3月に続きインフレ抑制を優先させた格好です。
声明文では、「米国の銀行システムは健全で強じん」との文言を踏襲する一方、「いくらかの追加の引締めが適切と予想する」との文言を削除し、利上げの打ち止めを示唆しました。
▣ 年内の利下げの有無が焦点に
市場が織り込む6月のFOMCでの利上げ確率は、一時20%を超えましたが、足元では10%を割り込んできています。今回で利上げが停止となることをほぼ織り込んでいる模様です。
その後についてパウエル議長は、「委員会のインフレ予想がおおむね正しいなら、早期の利下げは適切でない」と、利下げに慎重な姿勢を維持しました。一方、市場では、3月に金融システム不安が台頭して以降、利上げ観測が大きく後退しましたが、その後は政策金利の予想がやや上昇したものの、9月にも利下げに踏み切るとの市場の見方は変わっていません(図表2、3)。
また、12月の会合まで現在の政策金利の水準が維持される確率は0.2%と、限りなくゼロに近いと市場は見ています。
今後は経済指標やFRB高官の発言などを確認しつつ、利下げ時期を探っていくことになりそうです。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/env/
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