為替介入への思わくが浮上
▣ ドル売り・円買い介入への思わくが浮上
ドル円が一時144円99銭近辺と1998年8月以来24年ぶりの水準を付けるなど、円安が進行する中、9月14日には日銀が為替介入の前段階として市場参加者に相場水準を尋ねるレートチェックを実施したと伝わり、政府・日銀がドル売り・円買いの為替介入に動くとの思わくが浮上しました(図表1)。
為替介入の可能性は低いとみられますが、仮に政府・日銀がドル売り・円買い介入に踏み切った場合には、ドル円が146円台まで上昇した1998年6月以来となります。
▣ 過去のドル売り・円買い介入
1991年4月以降では、1991年5月~1992年8月、1997年12月~1998年6月の局面で、ドル売り・円買いの為替介入が実施されました。
1991年5月~6月、1992年1月~8月の為替介入では、円安を何とか抑制できた格好です(図表2)。
この局面は、米国の利下げが一旦休止し、米金利の上昇とともにドル高・円安が進行した後、追加利下げが見えた段階で米金利が低下し、ドル円も下落に転じたとの見方の方が、為替介入で円安を阻止したとの解釈より有力そうです(図表3)。
▣ やはり金融政策か
1997年は11月には120円前後であったドル円が12月には131円台に、1998年4月に135円台、6月には146円台まで上昇と、今年と似通った円安の動きになっていました(図表4)。1997年12月の介入、1998年4月の大規模な為替介入、また同年6月の為替介入では一旦円高に振れましたが、すぐに円安に戻る動きになりました。結局、1998年は8月に147円66銭を付け、下落に転じました。
1998年夏場にかけては、米国の利下げが見えてきた段階で米2年債などの利回りが低下し、ドル円が下落に転じた格好です(図表5)。
政府・日銀によるドル売り・円買い為替介入は、短期的にはドル円を押し下げる可能性があります。ただ、もう少し長い目で見ると、金融政策の方向性が変わる必要がありそうです。
日銀が強力な金融緩和を続けると見込まれる中、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引締めの手を休め、その後の利下げへの期待が強まるまでは、ドル円を大きく円高方向に引き戻すのは厳しいかもしれません。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/env/
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