ECBは戦略見直しを受け、フォワードガイダンスを変更

2021/07/27

▣ 大規模緩和を維持

欧州中央銀行(ECB)は7月22日の理事会で、超低金利政策を維持するとともに、8日に公表した金融政策の「戦略見直し」では示されなかったフォワードガイダンス(金融政策の将来的な指針)を公表しました。

また、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)についても、現行の1兆8,500億ユーロ規模を少なくとも2022年3月末まで継続するとともに、今年最初の数か月間よりも大幅に速いペースで行う見通しと、前回の方針を維持しました。

▣ 金融政策の「戦略見直し」結果のポイント

  • 中期的な物価目標を「2%に近いが、それを下回る水準」から「2%」に変更し、一時的な上振れも容認する
  • 新たな物価目標については対称的で、目標を上振れても、下振れても、同等に望ましくない
  • 政策金利が引き続き金融政策手段の筆頭に位置するが、フォワードガイダンスや資産買い入れ、長期資金供給オペといった他の手段についても、今後も政策手段の一部として適切に活用される
  • ユーロ圏消費者物価指数(HICP)が引き続き適切な物価指標だが、幅広い物価指標を補完する目的で帰属家賃の当初推計値を盛り込んだ物価指標も考慮に入れる
  • 理事会は野心的な気候変動に関するアクションプラン(行動計画)にコミットしていく
  • 次回の戦略見直しは2025年に行う計画

▣ フォワードガイダンス変更

新しいフォワードガイダンス:

・インフレ率が予測期間の終わりより十分前に目標の2%に達し

・残りの予測期間も持続すると見通され

・基調的インフレ率の実績が中期的なインフレ率2%での安定に向けて十分進展したと判断されるまで

             ⇓

      政策金利は現行またはそれ以下の水準にとどまる

また、「インフレ率が一時的に緩やかに目標値を上回りうる」とし、物価の一時的な上振れを容認する方針を示しました。

現時点では経済予測期間は2023年までですが、2023年のインフレ率の見通しは1.4%で、利上げ開始はさらに先になるとみられます。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/env/

 

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