2023年の10大予想:希望を持てるのか?
悪い材料があっても希望を持ちたい
神ならぬ人間の予知能力には、限界があります。とはいえ大まかなトレンドを予想するのは、必ずしも無謀とは言い切れません。それを筆者があえて予想すれば、以下の10個が挙げられます。今年も戦争や感染症、景気低迷など、精神を疲弊させる材料はいくつもありますが、希望を失うべきではないでしょう。
1. ロシア・ウクライナ戦争は継続
ウクライナの一部をロシアが占領する現状を、ウクライナが容認する可能性は低いでしょう。よって停戦協議はあまり進展せず、戦争状態は今年末になっても続く、というのが最も起こりそうなシナリオです。
2. 台湾侵攻が起こる可能性は低い
次は中国が領土統一を目指し、台湾へ侵攻するのでしょうか。今年に関しては、可能性は極めて低いでしょう。ロシアの苦戦を見て、戦争は自国民の甚大な犠牲を伴う、と中国政府も認識したはずだからです。
3. コロナウイルスが猛威を振るう
中国は、もっと切迫した問題に直面しています。つまり、コロナウイルスによる医療崩壊を抑えつつ、景気を回復させねばなりません。その撲滅を諦めた日本などでも、コロナは今年も猛威を振るいそうです。
4. 世界経済の成長率はさらに低下
昨年の世界経済は、戦争勃発などのため、筆者らの年初予想よりも大幅に減速しました(経済成長率の予想は4%台、結果は3%台前半の見込み)。今年はさらに減速し、3%を下回る成長率になりそうです。
5. 今年前半が主要国の厳しい局面
特に今年前半は、世界経済に試練を与えるでしょう。中国では感染拡大、米欧ではインフレ(物価高)や利上げの効果が、景気を圧迫すると見込まれるからです。日本でも、インフレが人々を苦しめそうです。
6. インフレについては鈍化傾向に
ただ、世界的なインフレは、今年後半には鈍化が鮮明になりそうです。米国では、家賃や賃金の伸び率低下がインフレを抑制しそうです。日本の場合、急激な円安の一服に伴うインフレ率低下が予想されます。
7. 米国の利上げは春頃には停止へ
米国では、今年序盤に2~3回の利上げが行われた後、半年程度の間、政策金利は高水準で据え置かれる見通しです。ただ、インフレ率が顕著に低下した場合などには、年後半に利下げが検討されるでしょう。
8. 米国株などは昨年よりは有望か
昨年は筆者らの年初予想に反し、米S&P500指数などが下落しました。今年は、米国の利上げ停止観測などを受け、株高の動きがやや優勢とみられます。とはいえ戦争やコロナなどが、波乱材料となり得ます。
9. 金利差縮小でも円高は限られる
米国の利上げ停止が見込まれる一方、日本では金融緩和策の修正(事実上の引締め)が進められそうです。ただ、日本経済の低成長構造に鑑みれば、日本の金利上昇は限定的で、円高余地も限られそうです。
10. 気候変動対策が一段と重要に
環境問題は、政治、経済、科学などを貫くテーマです。今年は各主体の対策が、一段と求められます。世界は利己主義に毒されていますが、このテーマで結束できれば、人類の未来にかすかな希望が持てます。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/topics/
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