米国株の現況:苦難に耐え、次の飛躍へ
次の飛躍のために
この世の中では、必ず苦難や波乱が生じます。金融市場においても、通常、数か月または数年ごとに、大きな相場変動が起こります。ただ、市場の波乱を含め、ほとんどの苦難は、時間がたてば和らぎます。
今年の株価変動(図表1)についても、時間の経過とともに、落ち着く可能性が高いでしょう。たしかに今年、米S&P500指数は約9%、日経平均株価は約6%下落しています。しかし、人生も市場も、常に順風満帆に進むのが最善、とは限りません。むしろ、次の飛躍のために不可欠なのは、適度な苦難です。
株価の調整は自然
幸運は永遠には続かない、という真理を、多くの投資家も知っています。そのため今年は、様々な要因から、株価などが一旦下落する可能性が十分にあることを、多くの投資家は認識し、警戒していました。
米国株は、約2年前、コロナウイルスの感染第一波を受け一時急落しました。しかしその後、米国の金融緩和や財政支出に加え、テクノロジー企業の好業績期待などを受け、「コロナ前」を約4割も上回る水準まで上昇しました(図表2)。これは行き過ぎでは?との警戒感が、昨年終盤から高まっていたのです。
株価下落の要因は?
そうした投資家の警戒感自体が、今年の株価下落の根本的な原因です。たしかに、より具体的な要因として多くの点が挙げられますが、それらはいずれも、持続的な株安要因とはおそらくならないでしょう。
米国株などの具体的な下落要因としては、次の四つが挙げられます。第一に、米欧などのインフレ(物価上昇)です。第二に、それに伴う米欧の金融引締め観測です。第三に、ウクライナ情勢の緊迫です。第四に、コロナウイルスの感染に伴う世界景気の減速懸念です。いずれも、軽視すべきことではありません。
各要因の説得力は?
しかし、インフレや金融引締めについては、米国などの景気が良いからこそ起こることです。よって、株価が景気を反映するとすれば、インフレ・金融引締め→株価下落、という理論的な必然性はありません。
また、ウクライナ情勢は不透明ですが、ロシアの大統領も含め、誰も大戦争を望んでいません。このため米欧でも現在、「世界大戦前夜」といったムードではありません。コロナウイルスに関しては、米欧では今、感染者が減少傾向です。そのためウイルス問題は、金融市場ではあまり議論されなくなっています。
転換のきっかけは?
よって、米国株などが下落し続ける可能性は低い、と言えます。そのように考えて投資機会を狙っている投資家は、少なくありません。それも踏まえると、株高基調への転換は遠い先のことではなさそうです。
きっかけは、米欧のインフレ率に関し、低下傾向が示されることでしょう。それは、製品・部品の供給制約が徐々に和らぐにつれ、今春頃から示されそうです。かつ、ウクライナ情勢が落ち着いた場合、株価の大幅反発も期待できます。以上のように、現在の苦難を耐え抜いた後には、次の飛躍を展望できます。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/topics/
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