バイデン氏、大喜び:米インフラ投資法の大きな意義

2021/11/22

待ちに待った法

11月15日、バイデン米大統領は、喜びにあふれる笑顔を見せました。待望のインフラ投資法が、ようやく成立したからです。バイデン氏のみならず、米国の政治と経済にとって、これは大いなる前進です。

老朽化したインフラ(経済活動を支える交通などの基盤)の大々的な更新は、米国の経済力を今後も維持するための必須条件です。しかし長い間、民主・共和という2大政党の深い対立が、それを妨げてきました。インフラ投資に前向きだったトランプ前大統領も、これに関し、成果をほとんど残せませんでした。

政治的な大勝利

それだけにインフラ投資法の成立は、バイデン政権にとって大きな勝利だと言えます。政策の推進においてトランプ氏よりも有能、とアピールして昨年の大統領選を戦ったのが、バイデン氏であるからです。

また、バイデン氏の公約は、豊富な政治経験と愛想の良い人柄を武器に、党派間の融和を図ることでした。そして今般のインフラ投資策は、バイデン氏の所属する民主党だけでなく、一部の共和党議員による支持も得て(図表1)成立しました。それだけでも、近年の米国政治においては、特筆すべきことです。 

交通・輸送が柱

インフラ投資法の大枠も、民主・共和両党の議員からなる超党派グループが、6月に策定したものです。それをベースとする法案が8月に上院で可決された後、11月に下院で可決され、大統領が署名しました。

投資規模は総額1兆ドル超ですが、もともと予算が手当てされている分を除くと、約5,500億ドルです(これを来年から5年間で実行する計画)。その過半は、道路、橋、鉄道、港湾など交通・輸送インフラの整備に関連します。ほかの施策は、電力網の修繕、高速インターネットの普及、水道の質向上などです。

生産性と競争力

これらにより米国のインフラ投資は、経済規模比で、1930年代に匹敵する大きさとなります。ただし、今般の主目的は、目先の景気浮揚ではなく、米国経済の生産性と競争力などを中長期的に高めることです。

インフラの劣化による経済損失は、計り知れません。サプライチェーン(供給網)の最近の混乱も、米国の貧弱な港湾や道路が原因の一つです。また、最新のインフラを着々と導入する中国(図表2)と比べた米国の遅れが競争力を損ない、中国に経済覇権を奪われる、との焦りも、インフラ投資策を促しました。

健全な米中競争

対中関係については、11月15日、バイデン大統領就任後、はじめての米中首脳会談が行われました(バーチャル形式)。その直前にインフラ投資法が成立したことが、バイデン氏に一層の喜びを与えました。

米国式の民主制でも大きな経済対策を実現できるのだと、世界にアピールできたからです。その米中首脳会談では、米中の「競争」が「闘争」に向かわぬよう、バイデン大統領が習主席に訴えました。インフラの量と質をめぐる経済の競争であれば、闘争には向かわず、米中双方の国民をより豊かにするでしょう。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/topics/

 

 

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