来週の金融市場見通し(2017年12月18日~2017年12月22日)

■来週の見通し

米連邦準備制度理事会(FRB)は、追加利上げを決定するとともに、米国経済の成長見通しを引き上げました。見通しには米税制改革の影響を織り込んでいるものの、トランプ政権が主張する3%成長には届かないとみている模様です。米税制改革法案については、共和党の2名の上院議員が難色を示すなど、まだ不透明な状況。クリスマスプレゼントになるかは予断を許さない状況です。

◆株価 : 米国の税制改革にらみ

日経平均株価は、週初に1か月ぶりに年初来高値を更新し、1992年1月9日以来の高値まで上昇したものの、以降は利益確定売りに押されじりじりと値を下げる動きに。中国が一段の金融引き締めに動くとの警戒感が広がったことに加え、米利上げペースが加速するとの懸念が後退して、ドル売り・円買いが優勢になったことも重し。来週は、米国の税制改革にらみ。早期成立の蓋然性が高まると、投資家のリスク選好が強まりそうです。

◆長期金利 : 上昇圧力が掛かる可能性も

長期金利は0.045~0.055%の狭いレンジでの動きが継続。FRBは追加利上げを決定したものの、緩やかな利上げペースとの見方から米長期金利が低下したことに加え、来年度の国債の市中発行額が減額されるとの見通しも、長期金利の上昇を抑制。ただ、一段の押し下げには材料不足。米国の税制改革法案が成立すると、財政悪化への警戒から、米長期金利が上昇し、国内金利にも上昇圧力が掛かる可能性も。

◆為替 : 米税制改革法案成立なら強含み

ドル円は、週央までは米連邦公開市場委員会(FOMC)待ち。FOMCでは予想どおり、今年3回目の利上げを決定しました。ただ、利上げペースが速まるとの懸念が後退し、ドル円は112円台に下落。米税制改革法案の不透明感もドル売り・円買い材料。税制改革法案が成立するとドルが強含みそうです。日銀金融政策決定会合は現状維持の見込みですが、会合後の黒田総裁記者会見で将来的な金融政策の変更が示唆されるかが注目されます。

◆Jリート : 一進一退の中、上値を探る

東証REIT指数は、長期金利の上昇が一服し、株価がやや軟調な動きになる中、高い分配利回りに着目した買いなどが広がり、持ち直しの動きが強まりました。緩やかな米利上げペースとの見方が広がったことも買い材料に。ただ、週末は利益確定売りに押されました。外国人投資家が3か月連続で買い越したことは安心材料。一進一退の中、米税制改革法案の採決や日銀金融政策決定会合などを確認しながら、上値を探ることになりそうです。

来週の注目点

日銀金融政策決定会合 12月21日(木)午後に結果発表

今回の会合でも、金融政策方針の現状維持が予想されます。ただ、日銀のインフレ目標(2%)の達成は当面、不可能と見込まれる中、来年に政策調整を行う可能性が示唆されることも皆無ではないとみられます。そのため今回、異次元緩和の副作用やインフレ見通しに関するコメントなどが注目されます。なお、政策調整が今後検討されるとすれば、長期金利(10年物国債金利)操作の柔軟化、上場投資信託(ETF)買入れ額の減額などが考えられます。

米耐久財受注(11月) 12月22日(金)午後10時30分発表

10月の米耐久財受注は、前月比0.8%減と市場予想の0.3%増を下回り、また、航空機を除く非国防資本財(コア資本財)は同0.3%増となりました。全体の受注減は民間航空機・同部品の受注額の落ち込みが大きく影響しましたが、航空機および輸送機器はもともと変動が大きく、除く輸送機器の耐久財受注は同0.9%増と底堅い動きでした。米国では順調に景気が拡大しています。基本的には底堅い動きを予想しており、11月は、全体で前月比1.8%増と想定しています。

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https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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