来週の金融市場見通し(2017年9月25日~2017年9月29日)

■来週の見通し

米連邦準備制度理事会(FRB)は20日、予想どおりバランスシート(米国債などの保有資産)の縮小を決めました。年内1回の利上げ見通しは変わらず。一方、日銀は強力な金融政策の維持を決め、日米の金融政策の方向性の違いが一段と明確になった格好です。恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は再び10ポイントを下回るなど、地政学リスクへの過度な警戒は後退していますが、金正恩氏が22日、トランプ氏の「ロケットマン」発言に対し、「史上最高の強硬対抗措置(太平洋上の水爆実験を意味する可能性)」を検討すると表明しました。米朝間の衝突がエスカレートすることには、引き続き注意が必要です。

◆株価 : 上値は重そう

円安が進行したことに加え、衆院解散・総選挙と伝えられ「選挙は買い」との見方が広がったことから、日経平均株価は2年1か月ぶりの高値まで上昇しました。過去14回の解散・総選挙では、解散から投開票までの日経平均株価の騰落は13勝1敗で、平均騰落率はプラス3.5%弱。もっとも、直近の第47回衆院総選挙(2014年12月)時にはプラス0.8%と小幅。米国の年内の利上げを織り込むドル高の動きが一服し、地政学リスクが意識されると、国内株の上値が重くなる可能性も。

◆長期金利 : 低位で推移

北朝鮮情勢をめぐる過度の警戒が和らぎ、米国株が過去最高を更新、また日経平均株価が年初来高値を更新する中、安全資産とされる国債は売りが優勢。長期金利は0.02%から一時0.035%まで上昇しました。FRBがバランスシート縮小を決定したものの、影響は限定的。日銀は強力な金融緩和を堅持する姿勢する中、北朝鮮の金正恩氏がトランプ氏に対抗し異例の声明を発表するなど、北朝鮮をめぐる地政学リスクがくすぶります。国内の長期金利は、当面低位での推移が見込まれます。

◆為替 : 米朝にらみ

ドル円は北朝鮮情勢をめぐる過度の警戒が和らいだことに加え、FRBが年内の利上げ見通しを維持したことなどから、しっかりの動き。FRBのバランスシート縮小決定は織り込み済みも、利上げに前向きな姿勢が示されたことはやや想定外で、一時112円後半まで上昇しました。もっとも、週末には北朝鮮の地政学リスクが再燃し、112円を割り込む動きに。日米の金融政策の方向性の違いから緩やかなドル高・円安地合いも、地政学リスクに振らされる展開が続きます。

来週の注目点

鉱工業生産指数(8月、速報値) 9月29日(金)午前8時50分発表

日本の鉱工業生産指数は7月に前月比0.8%低下の101.5(2010年=100)となった後、8月には上昇に転じる見込みです。

鉱工業生産は、変動を伴いつつも緩やかな増加基調を維持しています。ただ、これまで生産増をけん引してきた電子デバイス・部品については、生産計画を引き下げる動きも示されています。もっとも、世界経済の拡大を背景に、特に輸出は底堅く推移する可能性が高そうです。そのため、7-9月の鉱工業生産や国内総生産(GDP)は、前期比で小幅なプラスとなる見通しです。

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https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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