来週の金融市場見通し(2017年6月12日~2017年6月16日)
■来週の見通し
8日のコミー前米連邦捜査局(FBI)長官の公聴会での証言は、爆弾発言なく、波乱材料にはなりませんでした。欧州中央銀行(ECB)理事会は現状維持。政策金利の先行きを「長期にわたり、現状水準にとどまる」とし、従来の「現状かそれ以下の水準」から変更しましたが、影響は限定的でした。他方、英国の総選挙では、予想外にメイ英首相が率いる保守党が過半数を失いました。今後の欧州連合(EU)離脱交渉が難航する可能性もあり、注意が必要です。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)は追加利上げ、日銀金融政策決定会合は現状維持が見込まれます。フランスの下院選挙も確認したいところです。
◆株価 : 先高観は根強い
コミー前FBI長官の公聴会は波乱なし。英国総選挙はまだ消化できない状態で、今後の英政局を注視していく必要があります。来週の米FOMCの利上げ、日銀金融政策決定会合の現状維持は織り込み済みで、大きな材料にはなりにくそう。11日、18日のフランス下院選では、マクロン氏の「共和国前進」がどれだけ議席を獲得するかが焦点。ただ、右派が躍進しない限り、相場への影響は限定的となりそうです。先高観測は根強いものの、材料に欠けるため、方向感は出にくそうです。
◆長期金利 : 一進一退
長期金利は、日本銀行が異次元緩和の出口をめぐる議論について、「時期尚早」としていた姿勢を改め、市場との対話を重視する方向に修正しつつあるとの報道を受け、一時0.075%まで上昇しました。遠い将来ながら、異次元緩和の終了が意識された模様です。また、金融庁が地方銀行の債券保有に対する規制を強化するとの報道も、債券の売り材料。週末には債券市場は落ち着きを取り戻しましが、積極的には買いにくい状況。米利上げは織り込み済み。一進一退の動きになりそうです。
◆為替 : 米金利にらみ
ドル円は、英国の総選挙やコミー前FBI長官の公聴会への警戒から一時109円台まで下落。一旦戻ったものの日銀の異次元緩和の出口(終了)が意識され、再び109円前半まで下落。週末は110円台に戻る動きになりました。来週の日銀金融政策決定会合は現状維持の見込みで材料にならず。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げに加え、保有債券の償還金の再投資の縮小などが意識され、米金利が上昇すると、ドル高・円安に振れる可能性も。
■来週の注目点
米連邦公開市場委員会(FOMC) 6月15日(木)未明に発表
米連邦準備制度理事会(FRB)は、今回のFOMCで、政策金利を引き上げる可能性が高いとみられます。
米経済は1-3月期に一時的な減速を余儀なくされたものの、雇用は堅調を維持しており、設備投資なども拡大しつつあります。そのため5月のFOMCでは、総じて景気への強気の見方が示されるとともに、6月の利上げが示唆されました。これらを踏まえ金融市場では、6月の利上げをかなりの程度、織り込み済みとなっています。
その後は、経済指標やトランプ政権の財政政策に左右されそうです。現時点では、6月の利上げの後、9月にも追加利上げが行われる可能性が高いとみられます。さらに、年末にはバランスシート(FRBの保有資産)の縮小方針が決まると予想されます。
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