来週の金融市場見通し(2017年6月5日~2017年6月9日)

2017/06/02

■来週の見通し

CMEグループのFedウォッチツールによると、6月の米利上げ確率は90%まで上昇しています。5月の米雇用統計が大きく悪化しない限り、利上げ観測は崩れないとみられます。来週は、8日に英国の総選挙が予定されています。保守党のメイ首相は欧州連合(EU)離脱で強い交渉力を求め、勢力拡大を見込んで総選挙実施に踏み切りましたが、世論調査では労働党に追い上げられている模様です。勢力拡大が十分でないと、離脱交渉が一層難航する可能性が出てきます。また同日には、解任された米連邦捜査局(FBI)のコミー前長官の公聴会が開かれます。引き続き、欧米の政治リスクには注意が必要です。

◆株価 : 徐々に様子見も

5月末の週央までは軟調な展開も、6月に入り2日続けて大幅な上昇となり、日経平均株価は1年半ぶりに2万円台を回復しました。NYダウも3か月ぶりに過去最高値を更新しており、投資家のリスク選好が強まっている模様です。国内株については今期の企業業績が増収増益見込みであることから、先高観が根強い状況。ただ、急伸しただけに、利益確定売りに押される場面もありそうです。8日の英総選挙、FBIのコミー前長官の公聴会には注意が必要です。

株0602

◆長期金利 : 上昇は限定的

長期金利は0.035%~0.040%の非常に狭いレンジでの動きが続いていましたが、週末には株価が急伸したことを受け、一時0.055%まで上昇しました。10年国債入札は無難な結果になり、需給はしっかり。米利上げ観測が強まっていますが、米金利はほぼ織り込んでいるとみられます。米雇用統計が良好な内容でも、米金利の上昇が限定的ならば、国内の長期金利の上昇も限定的となりそうです。上昇余地を探る場面もありそうですが、上昇幅は限定的とみられます。

債0602

◆為替 : 8日待ち

投資家のリスク選好が強まり、米株が過去最高値を更新する場面でも、米金利の上昇は限定的で、ドル円も大きく動かず。来週は8日に、英総選挙、FBIのコミー前長官の公聴会、欧州中央銀行(ECB)理事会と主要イベントが集中しています。欧米の政治不安が高まるとドル売りが広がる可能性。また、ECB理事会では資産購入の縮小が示唆されると、ユーロ買い・ドル売りが強まり、対円でもドル売りが優勢となる可能性があります。8日を待って方向感を探ることになりそうです。

円0602

来週の注目点

ECB理事会 6月8日(木)午後8時45分 政策金利発表、午後9時30分 総裁記者会見

今回の欧州中央銀行(ECB)理事会では政策の現状維持が見込まれます。ただし、将来のテーパリング(ECBによる資産買入れの段階的縮小)や利上げに関し、具体的な議論が行われるかどうかが注目されます。

ユーロ圏経済は安定的に拡大しています。ただ、インフレ率は抑えられていることから、ドラギECB総裁らは緩和縮小に対し慎重姿勢を維持しています。とはいえ、フランスの大統領選などを経て、経済の先行きについて楽観的な見方が優勢となっています。また、ドイツなどは金融緩和策の弊害を批判しています。

そのため今回のECB理事会で、緩和策の縮小に関し若干前向きな姿勢が示される可能性があります。その場合、ユーロの一段高が予想されます。

辻0602

 

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