来週の金融市場見通し(2017年3月27日~2017年3月31日)
■来週の見通し
米国ではトランプ政権が最優先とするオバマケア(医療保険制度改革)代替法案の調整が難航し、米下院本会議は23日の採決を見送りました。日本では、「森友問題」で証人喚問が行われるなど、日米の政治イベントが注目されました。オバマケア代替法案については、遅かれ早かれ可決されるとみられます(24日に採決する方針)が、その後の上院の採決も難航すると、トランプ政権の政策の実現性に疑問符が付く可能性があります。他方、29日には英国のメイ首相が欧州連合(EU)離脱手続き開始を通告する予定です。内外の政治のほか、消費者物価指数、鉱工業生産指数なども確認したいところです。
◆株価 : トランプ政権の政策運営にらみ
トランプ政権の税制改革や規制緩和の先行き不透明感が広がり、円高・株安が進行。日経平均株価は1か月半ぶりの安値まで下落しました。もっとも、森友学園問題を巡る証人喚問が行われたにも関わらず、下げ幅を縮小する動きになり、押し目買い意欲を確認した格好。オバマケア代替法案が下院で採決されると、市場に安心感が広がる可能性も。ただ、その後の上院での調整が難航することには注意が必要。3月期末を前にした、配当取りの買いは下支え材料となりそうです。
◆長期金利 : レンジでの動きが継続
米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを急がないとの見方や、トランプ政権の政策運営の不透明感などから米長期金利が低下し、国内債は買いが優勢。長期金利は0.055%まで低下しました。ただ、週末は利益確定売りに押され、低下幅を縮小する動き。トランプ氏の政策運営の不透明感や、森友問題などは長期金利の抑制材料。31日に発表される消費者物価指数も小幅な伸びにとどまる見込みで、影響は限定的となりそう。長期金利は低位での推移が継続することが見込まれます。
◆為替 : 神経質な動き
ドル円は、FRBが利上げを急がないとの見方が広がる中、オバマケアの代替法案の下院での採決が難航したことなどから、投資家の慎重姿勢が広がり、米金利の低下とともに、ドル円も軟調な動きに。ドル円は一時111円を割り込み、約4か月ぶりの水準まで下落しました。オバマケアの代替法案が下院で採決されると、安心感からドルが買われる可能性も。もっとも、その後も上院での採決が控えます。29日にはメイ英首相がEU離脱手続きを開始する予定。神経質な動きとなりそうです。
■来週の注目点
消費者物価指数(2月全国) 3月31日(金)午前8時30分発表
全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、1月に前年比プラス0.1%と、1年1か月ぶりにプラスとなりました。2月も小幅なプラスが見込まれます。
物価の下げ止まりは、原油高に伴いガソリンなどエネルギー価格が上昇したことが主因です。円安による輸入物価の上昇なども寄与し、今後、緩やかな物価上昇が続く見通しです。
ただ、日銀が目標とする「2%」の物価上昇率には程遠い状況です。とはいえ、十分な賃金上昇を伴わない物価高は、景気の悪材料となり得ます。そのため、目標達成が絶望的でも、追加的な金融緩和が今年中に行われる可能性は低いでしょう。
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