来週の金融市場見通し(2017年1月9日~2017年1月13日)

■来週の見通し

今年の大発会は日経平均株価が昨年来高値を更新するなど、リスクオン(選好)で始まりました。ただ、年明け早々トランプ氏の批判を受けて、米フォードはメキシコ工場の新設を撤回。5日には同氏はメキシコ工場建設を計画するトヨタを批判するなど、保護主義的な発言への警戒が強まっています。新政権の人事では、米通商代表部(USTR)代表にロバート・ライトハイザー氏、新設する国家通商会議(NTC)のトップに、ピーター・ナバロ氏が指名されましたが、ともに対中強硬派。11日にトランプ氏は大統領選後初めて記者会見を開きますが、保護主義的な発言やドル高けん制などには注意が必要です。

◆株価 : トランプ氏の発言を警戒

今年の大発会は投資家のリスク選好の強まりを背景に、日経平均株価は12月の高値を上回り、昨年来高値をつけました。その後は、円安一服から下落したものの、ドル円の下落に比べ株価の下げは限定的で、底堅い印象。米雇用統計は重要指標ですが、予想から大きくかい離しない限り、相場への影響は限定的とみられ、11日のトランプ氏の記者会見を確認するまでは動きにくそうです。また、不安定な中国人民元の動きにも注意する必要があります。

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◆長期金利 : レンジ継続

米長期金利が一時2.34%まで低下するなど、米金利上昇が一服していることや、10年国債入札が順調な結果になったことから、国内の長期金利は落ち着いた動きが継続しています。12月の金融政策決定会合後の記者会見で黒田日銀総裁が、金利上昇を抑制する姿勢を示したことも安心材料。6日発表の米雇用統計で雇用者数の伸びが下振れすると、米金利が低下し、国内金利にも下押し圧力がかかる可能性もあります。トランプ氏の記者会見も確認したいところです。

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◆為替 : 神経質な動き

中国通貨当局が資金流出を抑制する姿勢を強めたことで、人民元の買い戻しが加速したことからドルが対人民元で急落、対円でもドル売りが優勢になり、ドル円は一時115円前半まで低下しました。米長期金利の上昇が一服したこともドル売り材料。ただ、115円は割れず。米雇用統計で雇用者数の伸びが下振れすると、ドル円の下押し圧力に。トランプ氏の記者会見で、ドル高をけん制する発言が出た場合には115円を割れる可能性も。神経質な動きが続きそうです。

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来週の注目点

米小売売上高(12月) 1月13日(金)午後10時30分発表

米国の小売売上高は、11月に前月比0.1%増にとどまり、やや弱めの結果になりました。12月は同0.3%増程度へ、伸びが高まると見込まれます。

米国では、個人消費が景気拡大を主導しています。賃金が緩やかに増加している上、11月以降の株高効果もあり、引き続き消費の底堅さが示されるでしょう。

また、年末商戦(11月終盤以降)の小売売上高は、米国において年間売上高の約2割を占めます。それだけに12月の実績が注目される中、これによって消費の底堅さが確認された場合、米国の景気拡大観測が一段と強まりそうです。

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