来週の金融市場見通し(2016年7月11日~2016年7月15日)
■来週の見通し
英国のEU離脱は、次期首相を決める与党・保守党の党首選で、EU残留派のメイ内相、離脱派のレッドサム・エネルギー閣外相の、女性2人の決選投票進出が決まった段階。EUとの交渉はまだまだ先の話であり、EU離脱の影響について確認できるのはもう少し時間がかかる見込みで、内外の金融市場の不安定な動きが続く可能性があります。来週は、米雇用統計を受けた米金融政策への見方が、金融市場を左右しそうです。また、米国では米地区連銀経済報告、米消費者物価指数、米小売売上高、中国では貿易収支、4-6月期の国内総生産(GDP)が発表されます。米中の経済指標も確認したいところです。
◆株価 : 方向感を探る
英国の国民投票結果を受けた急落からのリバウンドが一服。英国のEU離脱が世界の景気や金融市場に与える影響の不透明感が意識され、ドル円がじり安となったことから、日経平均株価も軟調な動きに。米雇用統計で早期利上げ観測が強まると、ドル円が上昇し、国内株も持ち直しの動きが強まる可能性があります。米国では4-6月期の企業決算発表が本格化します。米雇用統計を消化した後は、米中の経済指標や、米企業決算を確認しながら、方向感を探ることになりそうです。
◆長期金利 : 低位で一進一退
10年国債入札が堅調な結果となったことや、英国不安から欧米の利回りが低下したことを背景に、国内債の利回りは軒並み過去最低を更新。長期金利は8日には一時マイナス0.30%をつけ過去最低を更新。20年債利回りについても一時マイナス0.05%をつけました。もっとも、20年債~40年債については、低下し過ぎへの警戒から下げ渋る動きに。日銀の追加緩和への期待もくすぶることから、過去最低水準での動きが継続しそうです。5年国債、30年国債入札も確認したいところです。
◆為替 : 米雇用統計次第
ドル円は、急落からのリバウンドが一服し、102円を挟んだ動きから101円を挟んだ動きになっています。下落する場面でも、100円は割り込まないで踏みとどまっている格好。米雇用統計で、労働市場の回復継続が確認された場合には、早期利上げが意識され、ドルが強含むことが想定されます。英中銀は14日の金融政策委員会では利下げは見送り、8月に利下げに踏み切るとみられます。来週は、米雇用統計を受けた米利上げ観測次第ですが、米中の経済指標も確認する必要があります。
■来週の注目点
中国GDP統計(16/4-6月期) 7月15日(金)午前11時発表
中国の実質国内総生産(GDP)成長率は1-3月期に前年比6.7%となった後、4-6月期は同6.6%程度へ、やや減速する見通しです。
中国経済は、今年の序盤、金融緩和や財政出動などにより景気回復の兆しを示しました。しかし、過剰な設備・負債や住宅バブルといった構造的な問題は、むしろ悪化している模様です。人民元の切下げ圧力も残っています。
足元では、固定資産投資や輸出などにおいて、鈍化が示されています。そのため、GDP成長率の低下傾向は続くでしょう。ただ、「6.5~7%」という成長率目標を達成すべく、中国政府は適宜、景気刺激策を講じる見込みです。
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