来週の金融市場見通し(2016年1月25日~2016年1月29日)
■来週の見通し
21日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、ドラギ総裁が次回会合での追加緩和の可能性を示唆したことを受け、投資家のリスク回避姿勢が若干和らぎました。来週は、26-27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、28-29日に日銀金融政策決定会合が予定されています。先月に利上げを開始した米連邦準備制度理事会(FRB)ですが、世界経済の先行き不透明感が広がる中、利上げに慎重な姿勢が示されると、安心感が広がる可能性があります。他方、日銀については、年明けからの内外の金融市場の混乱や低インフレの長期化観測を受け、追加緩和への期待がくすぶります。ただし、期待し過ぎは禁物です。
◆株価 : 戻りを探る
年明け以降、中国不安や原油価格の下落などを背景に投資家心理が冷え込み、日経平均株価は21日には1万6,017円まで下落、また予想株価収益率(PER)は13.32倍と、昨夏のチャイナショック時の底値の水準(13.37倍)を下回り、国内株の底打ち感が強まっています。日銀の追加緩和への期待も手伝い、22日には大きく持ち直す動きになりました。来週は、内外の金融市場の落ち着きや、日米の金融政策を確認しながら、戻りを探る展開になりそうです。
◆長期金利 : 追加緩和なら0.2%割れも
長期金利は、14日に過去最低の0.19%を付けて以降、やや押し戻される動きになっています。もっとも、良好な需給は崩れておらず、0.235%までの上昇にとどまっています。米長期金利が落ち着いていることに加え、原油安を受けて、低インフレが長期化するとの見方も、長期金利上昇の抑制要因です。投資家心理の改善や、日米の金融政策への思わくなどに振らされそうですが、振れ幅は限定的とみられます。日銀が追加緩和に踏み切ると、再び0.2%を割り込む可能性もあります。
◆為替 : 金融政策などを睨み神経質な動き
投資家のリスク回避姿勢の強まりに加え、世界的な金融市場の混乱などを受けて米国の利上げ観測が後退していることなどから、ドル円は20日には一時116円を下回りました。米利上げについては、緩やかなペースが見込まれるものの、FOMCで利上げに前向きな姿勢が示されると、ドルが上振れする可能性があります。他方、日銀の追加緩和への期待がやや強まっており、結果次第では大きく乱高下する可能性があります。中国不安や原油価格もかく乱要因で、神経質な動きになりそうです。
■来週の注目点
日銀金融政策決定会合 1月29日(金)午後に結果発表
今回の金融政策決定会合では、金融政策の現状維持が予想されます。
ただ、国内外の景気減速懸念などを背景に一旦、日経平均株価が1年3か月ぶりの安値まで下落し、ドル円レートも円高へ振れました。さらに、原油安が加速する中、日銀の物価目標(インフレ率2%)は今年も達成不可能とみられます。そのため今回の会合で、日銀は物価見通しを下方修正する見込みです。
これらを受け、金融市場では追加緩和を期待する向きもあります。しかしながら、日銀総裁は「物価の基調は着実に改善している」との見方を堅持していること、追加緩和の手段は限られていること、追加緩和の効果は一時的とみられること、に鑑みれば、今回の会合で大規模な追加緩和が決まる可能性は低いと考えられます。
印刷用PDFはこちら
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会