来週の金融市場見通し(2026年3月30日~2026年4月3日)
■来週の見通し
早ければ今週中に米国とイランの和平交渉がパキスタンのイスラマバードで行われる可能性があると、一部のイスラエルメディアが報じました。ただ、イラン外務省が即座にアメリカとの対話を否定する声明を出したほか、米国の示した15項目の和平計画を拒否し、5項目の条件を米国に逆提案するなど、混乱している状況が続いています。来週は、引き続き中東情勢に加え、3月の東京都区部消費者物価指数などの経済指標や米中央銀行高官の発言なども確認しながら、週末の米雇用統計を待つことになりそうです。
◆株価 :中東情勢に振らされる展開か
今週の日本株は、一進一退の動きとなりました。米国時間の3月21日に、トランプ米大統領がイランが48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ発電所を標的に攻撃を始めると表明したことが嫌気され、週初は売りが優勢となりました。その後は同大統領が発電所への軍事攻撃を延期すると表明したことが好感され上昇する場面もありましたが、週末は米国防総省が地上軍の投入や大規模な爆撃といった軍事計画を策定していると報じられたことが嫌気され軟調な動きとなりました。
来週も、中東情勢に振らされる動きが続くとみられます。米国とイランの停戦交渉が進展した場合、株式市場は好感するとみられます。他方、米国がイランに地上部隊を投入するなど、紛争が激化した場合、投資家心理が悪化し、株価は下落することが見込まれます。
◆長期金利 :中東情勢にらみ
今週の長期金利は、原油高がインフレ加速を招くとの懸念から債券売りが出て、一時2.32%とおよそ2か月ぶりの高水準を付けて始まりました。トランプ米大統領がイランの発電所などへの攻撃を延期すると表明したことなどから、一旦上げ幅を縮小しましたが、その後は原油価格の高止まりへの警戒から、2.3%台後半まで上昇する動きになりました。
来週は停戦をめぐる思わくに振らされそうです。米国、イラン双方の歩み寄りがみられず、停戦交渉が難航するとの見方が一段と強まると、国内金利を押し上げる可能性があります。他方で、可能性は低いものの米国の年内の利上げもありうるとの見方も出てきており、米長期金利が上昇すると、国内金利にも上昇圧力がかかる可能性があります。10年国債入札も確認したいところです。
◆Jリート :下値目途を探る
今週のJリート市場は、米国によるイランの発電所やエネルギー施設への軍事攻撃をめぐる報道を受け、下落しました。米国が軍事攻撃の5日間の延期を表明したことで株式市場は買い戻される局面もありましたが、Jリート市場の反発は限定的でした。今週末の分配金利回りは4.788%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。
来週は、長期金利の動向や中東情勢をにらみつつ、下値の目途を探る展開を想定しています。金融機関の年度末決算に向けた売りは収まる見込みですが、米国とイランの停戦交渉に進展がなく、原油価格が上昇すると長期金利の上昇圧力となり、Jリート市場を下押ししそうです。一方、値下がりした局面では下値を拾う買いなども期待されることから下値も限定的になると見込んでいます。
◆為替:引き続き中東情勢にらみ
今週のドル円は、トランプ米大統領がイランの発電所への軍事攻撃を延期すると表明したことを受けて、中東情勢をめぐる緊張が一旦和らぎ、ドル円が下落する局面がありました。ただ、米国とイスラエルとの停戦交渉が難航するとの見方から、中東情勢への警戒感がくすぶり、上昇する動きになりました。
来週も引き続き停戦をめぐる動きに振らされそうです。イランが米国の示した和平計画を拒否し、5項目の条件を米国に逆提案したことなどから、停戦協議が難航するとの見方は、有事のドル買いを後押ししそうです。原油高止まりがエネルギー資源の大半を輸入に頼る日本の貿易収支を悪化させるとの懸念も円売り・ドル買い材料です。とはいえ、通貨当局による為替介入への警戒も根強く、一段の上昇が抑制される可能があります。
◆米国株 :中東情勢や経済指標に注目
今週の米国株は、中東の紛争が長期化するとの懸念から上値の重い動きとなりました。また、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が今後の利上げの可能性に言及したことで、米長期金利が高止まりしていることも株価を圧迫しました。
来週も、中東情勢や経済指標の発表が市場を動かす材料となりそうです。米国とイランの停戦交渉が進展した場合、株式市場は好感するとみられます。他方、米国がイランに地上部隊を投入するなど、紛争が激化した場合、投資家心理が悪化し、株価は下落することが見込まれます。雇用や企業の景況感に関する経済指標が良好な内容になると、中東の紛争を受けた景気減速懸念が和らぎ、株式市場は好感する可能性があります。
■来週の注目点
東京都区部・消費者物価指数(3月)3月31日(火)発表
2月の東京都区部・消費者物価指数(コアCPI、生鮮食品を除く総合)は、前年比1.8%上昇と、日銀が目標とする2%を2024年10月以来初めて下回りました。電気・ガス代補助金の実施によりエネルギー価格が大きく押し下げられたほか、食料品価格の伸び鈍化などが上昇率鈍化の要因となりました。
3月のコアCPIも2%を下回る見込みです。引き続き、電気・ガス代補助金実施や食料品価格の伸びの鈍化が影響する見込みです。ただし、原油高によるガソリン価格の上昇や円安進行による輸入コストの上振れに起因するインフレ圧力が強まるリスクがあります。
米雇用統計(3月)4月3日(金)発表
米雇用統計によると、2月の非農業部門雇用者数は前月差9.2万減と、1月の同12.6万人増から減少に転じました。看護師のストライキの影響でヘルスケア分野の雇用者数が減少したほか、悪天候の影響で建設業の雇用者数が減少したことも、全体の押し下げ要因となりました。
3月の非農業部門雇用者数は前月差5.1万増、失業率は4.4%程度を想定しています。2月にみられた一時的要因が剥落することで、雇用者数は増加に転じる見通しです。ただし、関税の影響などにより、雇用者数の増加は低水準にとどまるとみられます。
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