来週の金融市場見通し(2025年2月10日~2025年2月14日)
■来週の見通し
トランプ米大統領は、カナダとメキシコに4日から発動する予定の関税引き上げを1か月延期する一方、中国からの輸入品に対して追加関税を発動しました。ただ、中国による報復関税は石炭と液化天然ガスなどごく一部にとどまりました。他方、国内では植田日銀総裁が「現在はデフレではなくインフレであるとの認識」と述べたことなどを受け、利上げ観測が強まりました。来週は7日の米雇用統計を受けた米金融市場の動向や同日行われる日米首脳会談、経済指標なども確認しながら方向感を探ることになりそうです。
◆株価 :週明けは値動きが激しい展開か
週明けは、値動きが激しい展開が想定されます。7日発表の米雇用統計を受けて円安が進行した場合、株価を押し上げそうです。また、7日の日米首脳会談でトランプ大統領が日本への関税引上げに慎重な姿勢を示すと、安心感が広がりそうです。トヨタ自動車など好調な決算発表が相次いでいることも相場を支えそうです。ただし、日銀の利上げ観測の高まりにより、一段と円高が進行した場合、株価の重しとなることが予想されます。
◆長期金利 :神経質な動き
植田日銀総裁の発言などから利上げ観測が強まり、長期金利は一時1.3%に迫りましたが、30年国債入札が好調な結果となったことを受け、上昇幅を縮小しました。ただ、週末には需給不安が広がり、1.3%まで上昇する動きになりました。米景気の鈍化を示す米経済指標が相次ぎ、米長期金利の上昇が一服する中、国内金利の一段の上昇は限定的とみられます。とはいえ、7日の米雇用統計を受けた米長期金利の動きには注意が必要です。
◆為替:上値重い
ドル円は、上値の重い展開が想定されます。市場はトランプ大統領の関税に関する発言に振らされる状況が続いています。しかし、米国の物価上昇圧力は徐々に鎮静化しつつあり、米長期金利の上昇余地が限定的とみられることから、ドル円の上値は重そうです。また、日銀が追加利上げに前向きな姿勢を示す中、ドル円は徐々に下値余地を模索する可能性もありそうです。とはいえ、7日発表の米雇用統計の結果次第では、上昇に転じる余地は残ります。
◆Jリート :押し目を探る
Jリート市場は、日米長期金利の動向を睨みながら、押し目を探る展開になることが想定されます。日銀1月会合後の反発の勢いに落ち着きが見られるものの、先日の投資ファンドによるJリート銘柄へのTOB(公開買い付け)公表などもあり、改めてJリート市場の割安感が注目されています。日銀の利上げスタンスの継続により、長期金利は上昇していますが、引き続き割安感に着目した新規の買いに期待したいところです。
■来週の注目点
景気ウォッチャー調査(1月) 2月10日(月)発表
景気ウォッチャー調査によると、12月の現状判断DI(ディフュージョン・インデックス)は前月差+0.5ポイントと2か月連続で上昇しました。冬のボーナスの増額や好調な年末商戦などが、景況感の改善に寄与しました。
1月の現状判断DIは、改善が一服するとみられます。コメや生鮮食品といった食料品の価格が高騰するなかで、家計関連の景況感が弱含む可能性があります。
米消費者物価指数(1月) 2月12日(水)発表
12月の米国の消費者物価指数(CPI)は、コア指数(食品とエネルギーを除く総合)が、前年比+3.2%、前月比+0.2%と、ともに前月(同+3.3%、同+0.3%)から減速しました。家賃や医療サービスなどのサービス分野を中心に価格の伸びが鈍化しました。
1月のコア指数は、前年比+3.2%、前月比+0.3%と、依然として高い伸びが続くとみられます。個人消費を中心に需要が底堅いなかで、インフレ率の高止まりが続く可能性があります。
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