来週の金融市場見通し(2021年7月19日~2021年7月23日)

2021/07/16

■来週の見通し

6月の米消費者物価指数(CPI)が前年比5.4%上昇と上振れたものの、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は議会証言で、インフレ圧力の高まりは一時的、また米国債などを買い入れる量的緩和の縮小(テーパリング)を始めるための条件にはまだ遠いと述べ、早期の金融緩和縮小への警戒が後退しています。他方、国内では東京都に4回目の緊急事態宣言が適用されました。来週は、内外の経済指標やコロナの動向に加え、国内でも本格化する決算発表などを確認しながら、居所を探ることになりそうです。

◆株価 :やや軟調か

日本株は、やや軟調な展開が予想されます。東京などで新型コロナウイルスの感染が拡大しており、それによって国内景気の停滞が長引くとの観測を背景に、投資家の慎重姿勢が優勢となる見通しです。また、米中の景気が減速しつつあるとの見方も、内外の株価を圧迫しそうです。とはいえ、日米の企業決算に対する根強い期待や、米国の金融引締め懸念がひとまず和らいでいることを踏まえると、一方的な株価下落も想定しにくい状況です。

◆長期金利 :低位で居所を探る

パウエルFRB議長の議会証言を受け、金融政策の正常化を急がないとの見方が強まり、米長期金利の低下とともに、国内の長期金利も15日には0.01%まで低下しました。20年国債入札も順調な結果で、良好な需給が確認されたことも、長期金利を押し下げた模様です。新型コロナの感染再拡大を背景に、景気の先行き懸念がくすぶる中、長期金利は上昇しにくい状況です。米長期金利の動きも確認しながら、居所を探ることになりそうです。

◆為替 :方向感乏しい

パウエルFRB議長の議会証言から、早期の金融緩和解除には慎重姿勢を維持していることがわかり、6月の米消費者物価指数が大幅上昇したことを受けた米長期金利の上昇は巻き戻されました。ドル円も110円台後半から下落し、足元110円近辺で推移しています。新型コロナ変異株の世界的な感染拡大が大きな懸念材料となる中、当面、米長期金利の上昇幅は限定的とみられます。そのため、ドル円は方向感の乏しい動きが続きそうです。

◆Jリート :高値もみ合い

東証REIT指数は、13日には一時2,200ポイントを付けたものの、利益確定売りに押される動きになりました。米長期金利が1.3%前後まで低下してきていることや、国内の長期金利も0.0%を若干上回る低水準で推移していること、またコロナ後の経済正常化への期待は押上げ材料です。とはいえ、年初来高値圏にあり、利益確定売りが出やすくなっていることや、新型コロナの感染拡大への警戒などから、上値が抑えられる可能性があります。

来週の注目点

全国・消費者物価指数(6月) 7月20日(火)午前8時30分発表

5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.1%上昇と、14か月ぶりのプラスになりました。特に、原油価格の上昇に伴うガソリンの値上がりなどが、CPI上昇に寄与しました。

6月のコアCPIも、同0.1%程度の小幅な上昇が見込まれます。エネルギー高が引き続きCPIを押し上げるとみられるほか、「ステイホーム」などに伴い、家庭用耐久財などの値上がり圧力が続くとみられます。ただ、携帯電話通信料の値下がりなどを背景に、CPIの上昇幅は、当分の間、小幅なものにとどまる見通しです。

ユーロ圏製造業PMI(7月)  7月23日(金)午後5時発表

6月のマークイットユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)は63.4と、市場予想を上回りました。同指数は、昨年の7月以来、活動の拡大縮小の境目となる50を超える状況が続いています。また、総合PMIも、59.5と市場予想を上回り、4か月連続で50を上回りました。

ユーロ圏において、新型コロナの感染対策としての行動制限措置が緩和されていることなどが、景気拡大に寄与している模様です。製造業では輸出受注が若干鈍化しているものの、今後も高水準の景況感が維持されそうです。また、サービス業も明確に回復しつつあることから、当面、製造業、総合ともPMIは50を大きく上回る見通しです。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=10

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