来週の金融市場見通し(2019年6月17日~2019年6月21日)

■来週の見通し

米中貿易摩擦については、月末の20か国・地域首脳会議(G20)に合わせ米中首脳会談が開かれる方向で動いていると伝えられていますが、依然として不透明な状況です。来週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されています。米利下げ観測が強まる中、政策金利見通しが引き下げられるなど、早期の利下げが示唆されるか注目されます。他方、香港のデモや中東情勢の緊迫化にも注意が必要です。

◆株価 : 上値の重い展開を予想

日本株は、上値の重い展開が予想されます。米国によるメキシコ製品への関税は見送られたものの、米中貿易摩擦をめぐる不確実性が、引き続き金融市場のムードを圧迫すると見込まれます。また、米国の利下げ観測や米国とイランの対立などを受けドル安・円高が進めば、日本株の下落圧力がさらに強まりそうです。ただし、米中の通商協議が進展する可能性も残っているため、株価が一方的に下落するとは考えにくい状況です。

◆長期金利 : マイナス圏で居所を探る

週央までは30年国債利回りが一時0.305%まで低下するなど、利回りがまだプラスの超長期債を中心に低下余地を探る展開になりました。ただ、30年国債入札が不調となったことから、5月下旬以降の利回り低下も一服した格好です。米FOMCで早期利下げが示されると、国内金利にも低下圧力が掛かりそうです。とはいえ、年内の米利下げをすでに織り込んで低下してきていることから、一段の低下は限定的になりそうです。

◆為替 : G20・大阪サミットまでは様子見か

米国によるメキシコへの輸入関税が無期延期となり、安心感からリスク選好のドル買いがやや優勢となっています。しかし、米中通商協議は暗礁に乗り上げており、月末の大阪サミットで米中首脳会談が行われるか、また行われた場合でも、その結果がどうなるか予断を許しません。米国の利下げ期待が株などリスク資産価格を支えているため、ドル円の下値は限られ、月末まではレンジ内での取引に終始し、方向感は見出しにくいでしょう。

◆Jリート : 高値もみ合い

週初は利益確定売りに押されたものの、米中貿易摩擦や米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化などを背景に、内外の金利が低位で推移する中、相対的に高い分配金利回りに着目した買いが優勢になり、東証REIT指数は堅調な動きになりました。来週の米FOMCで早期の利下げ観測が強まると、一段の上昇余地を探る場面もありそうです。とはいえ、5月以降の天井となっている1,950ポイントを超えると、利益確定売りも強まりそうです。

来週の注目点

全国・消費者物価指数(5月) 6月21日(金)午前8時30分発表 

日本の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は4月に前年比0.9%上昇と、3月(同0.8%上昇)から伸びが拡大しました。食品の値上げが相次いだほか、大型連休中のパック旅行費・宿泊料の上昇などが要因です。

ただ、春の値上げは一巡しつつある上、旅行費の上昇などは一時的とみられます。インフレ基調は依然弱く、5月のコアCPIは同0.8%上昇にとどまる見込みです。また、携帯電話料金の値下げなども踏まえると、コアCPIの伸びは年内に0%台前半まで低下する見通しです。

ユーロ圏製造業PMI(6月)  6月21日(金)午後5時発表

マークイットユーロ圏総合PMIは1月の51.0を底に足元は若干戻しており、5月は51.8となりました。しかし注目の製造業PMIは今年2月に拡大・縮小の分岐点である50を割り込み、49.3となって以来、3月に47.5まで大きく低下するなど、その後も50割れのまま低迷が続いています(5月は47.7)。

ユーロ圏ではサービス業は比較的堅調ですが、製造業は引き続き減速感が強い状況です。米中通商協議が暗礁に乗り上げ、中国を中心に域外需要が大きく減少していることから、6月も製造業PMIは低迷が継続しそうです。

 

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