脱「弱気ゾーン」のタイミングはいつ訪れる?
今週の国内株市場は、日経平均が軟調気味で推移する展開が続いています。米国株市場のムードに影響されている格好ですが、その米株市場は株価の下げ幅が大きくなる日が最近になって増えています。今週の20日(火)のNYダウも前日比で550ドルを超える下げを見せており、一部では「弱気相場入り」を指摘する声も聞かれるようになりました。
米株市場では一般的に直近高値から20%以上下落すると、弱気相場入りとされます。NYダウは10月の3日に直近の高値(26,951ドル)をつけましたが、足元の11月20日の安値(24,465ドル)までの下落率は10%です。同様に日経平均で見ると、10月2日の高値(24,448円)から10月26日の安値(20,971円)まで15%ぐらい下げています。NYダウ・日経平均の両指数ともにまだ弱気相場入りまでには距離がありますが、少なくとも弱気ゾーンに足を踏み入れている状況ではあります。
もっとも、この時期の米株市場は感謝祭前後で休暇をとる市場参加者が多く、薄商いで買いが入りづらい面があるほか、今週末からはブラックフライデーやサイバーマンデーといったクリスマス商戦がスタートしますので、年末相場に向けた期待感があり、直近の相場の軟調地合いは押し目買いの好機とする見方もあります。
また、月末の米中首脳会談の行方や、12月の米FOMCでの利上げ実施と今後のペースが注目されていますが、これまでの株式市場は、米中摩擦の後退や、米利上げペースの鈍化を好感して息を吹き返す展開を繰り返して来ました。
とはいえ、気掛かりなのは、これまで米国の株高を牽引していきたFAANG(フェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグル)銘柄の下げが目立っている点です。これら5社の時価総額が最近の株価下落で約1兆ドル減ったとの報道もあります。
限られた銘柄に多くの資金が集まっていたということは、それだけ多くの投資家が株価下落のダメージを受けたことを意味しますし、さらに、米国の利上げペースについても、その視点が米国景気の過熱抑制から、米中摩擦や世界景気後退の影響緩和の方に移っているため、仮に利上げペースが鈍化したとしてもあまり好感されない可能性もあり、相場の弱気ゾーンから脱するには意外と時間が掛かるのかもしれません。
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