「決算シーズンが上値追いのきっかけとなるか?」
連休明けとなった今週の国内株市場ですが、日経平均は節目の2万円台を挟んだもみ合いの展開が続いています。
週内は4営業日と少なめの立会日の割には、米国の企業決算動向をはじめ、日銀会合やECB理事会などの金融政策会合、英国のEU離脱交渉、中国の主要経済指標の発表、訪日外国人客数と消費動向など、何かと注目されやすい材料が多いのですが、東証1部の売買代金もなんとか2兆円を維持しているような格好のため、これまでのところあまり動意づいている印象はありません。
基本の相場地合いは、これから本格化する国内企業の決算発表待ちと言えます。市場では、「企業の価値から見た株価水準はまだ割安で、日経平均ならば21,000円台をつけてもおかしくはない」という見方が多いこともあって、決算シーズンを境に日経平均が上値を追う展開を迎えることができるかがポイントになります。
すでに国内小売関連企業を中心に決算発表がありましたが、良い業績内容に対して株価が素直に反応する動きを見せる銘柄がある一方、ファーストリテイリング(9983)のように、株価が決算発表後に大きく下げる動きを見せるものもあります。同社の決算(2016年9月~17年5月期)は、純利益は予想を上回ったものの、通期の見通しを据え置きだったことが売りの要因になったようです。
つまり、ある程度の業績上振れ期待を織り込んでいる場合、決算発表後に株価調整を迎える銘柄が増える可能性もあるわけです。とはいえ、ファーストリテイリングは8月期決算企業ですので、本決算まであと1四半期を残すのみです。そのため、このような反応になったと思われますが、国内企業の多くは3月期決算企業ですので、これから発表されるのは今期最初の四半期決算になります。今期の会社計画に対する進捗度合いや見通しそのものに修正があるかどうかが注目されることになります。
また、需給面で決算シーズンが上値追いのきっかけとなるかの鍵を握るのは、やはり外国人投資家の動向です。取引所が発表している投資部門別売買動向(二市場)を確認すると、ここ最近は外国人投資家が日本株をあまり積極的に買っていません。7月第1週の状況では、個人と外国人が売り越す一方、信託銀行が大きく買い越しとなっているなど、信託銀行(年金など)の買いが目立っている状況が続いています。「大きく下げないけれども大きく上げない」相場展開が続いているのはこのためなのかもしれません。
外国人投資家が敢えて日本株を買う理由のひとつに、世界の中でも比較的安定した政権基盤の国だからというのがありますが、足元ではそれが揺らいでしまう懸念が高まっています。直近調査の安倍内閣支持率は、気が付けば米トランプ政権の支持率よりも低くなっていますし、来週の7月24日~25日には諸々の疑惑に対する閉会中審査が控えています。「企業業績で株が買えても、国内政治が水を差す」シナリオも想定されるため、相場の見極めムードは思ったよりも長引いてしまうのかもしれません。
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