連休明けの株価急騰はいつまで続く?

2026/05/08

大型連休明けで迎えた今週の国内株式市場ですが、大きく上昇する展開となっています。7日(木)の前場終了時点での日経平均は62,915円となり、連休前の5月1日(金)終値(59,513円)比で3,400円を超える急騰を見せ、これまでの最高値を大きく更新する動きを見せています。

こうした株高の背景には、米国株市場を中心に、旺盛なAI需要を背景とする関連銘柄が引き続き相場を牽引していることに加え、中東情勢の収束期待が高まったことが挙げられます。

とりわけ、前者については、国内の連休中に、データ解析とAIを活用したソリューションを提供するパランティア・テクノロジーズや、半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイセズといった米国企業が予想を大きく上回る決算を発表したことや、生成AIモデル「クロード」を提供している米アンソロピック社がグーグルに5年で2,000億ドル支出することが報じられるなど、ポジティブな材料が相次ぎました。

また、後者の中東情勢についても、米国とイランの戦闘終結に向けた「覚書」締結の観測が高まり、事態の収束に対する安心感と楽観が広がったことも追い風となった格好です。

基本的には4月相場と同じ材料で株価が上昇しているため、今後の相場展開について考える際のポイントは、これまでとはあまり変わらないことになります。

株価水準が大きく切り上がってきただけに、過熱感や割高感が意識される中、株式市場がどこまで上値を伸ばせるかが目先の焦点になりますが、7日(木)前場の日経平均の寄与度を見ていくと、ソフトバンク・グループ(寄与度718円)、アドバンテスト(同527円)、東京エレクトロン(同424円)の上位3銘柄だけで、前場の上昇幅(約3,400円)の半分近くを占めており、多くの銘柄が買われてはいるものの、まだ一部の銘柄が牽引している構図です。

確かに、AIへの投資意欲は想定以上に強く、関連企業の業績がさらに上振れ、株式市場が「パワートレンド」を描く格好でまだまだ上昇していってもおかしくはありませんが、これらの銘柄は移動平均線乖離率(25日)やPEGレシオ(PERを利益成長率で割ったもの)の面で割高感も出てきており、近いうちに天井を打つ可能性は高く、21日(木)に予定されている米エヌビディアの決算までの期間がヤマ場となりそうです。

また、中東情勢についての楽観は、やや「前のめり」気味であることにも注意が必要かもしれません。実際に、米国とイランとのあいだで戦闘終結の合意が為されれば、正常化に向けた復旧期待を先取りする格好で株式市場も好調さを維持して行く見込みとなります。ただ、ホルムズ海峡が自由に航行できるための条件(安全確保や機雷の掃討、保険会社の許可など)が整うまでの時間や、サウジアラビアのパイプラインや、UAEの石油工業地帯、カタールのLNG関連施設など、一連の戦闘で被害を受けたインフラ施設は多くあり、戦闘開始前の状況に戻るまでに想定以上の時間が掛かり、景気や企業業績を下押しすることも考えられます。

もっとも、株式市場はその先の回復を見据えて動くため、相場が崩れるまで売られる可能性は低そうですが、復旧状況が見えてくるまで、株価がもみ合う「時間調整」の展開は想定しておく必要がありそうです。

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