気になる日米株のチャートの「時間ギャップ」

2026/03/20

今週の株式市場も、イラン情勢に対する警戒感の中での推移が続いています。

日経平均の値動きを日足チャートで辿ると、週初の16日(月)と翌17日(火)は、75日移動平均線を下値のサポートとして意識しながら様子をうかがう動きとなり、先週の荒い展開が落ち着きを取り戻しつつあるような場面もありましたが、続く18日(水)は節目の55,000円台を回復する急反発となったかと思えば、19日(木)は一転して急落スタートとなるなど、再び値動きが慌ただしくなってきており、原油価格の動きに株式市場が振り回される状況となっています。

実際に、WTI原油先物(期近)の価格をチェックすると、19日(木)朝の時点で99ドル台となっており、9日(月)につけた高値(119.48ドル)からはまだ20ドル近く下に位置しています。ただ、米国とイスラエルがイランに対して軍事作戦を開始する前の価格(67ドル台)からの価格推移でみれば、下値は着実に切り上がっており、原油をはじめとする資源価格の上昇による影響への懸念(インフレ進行や景気後退など)を、「一時的」と片付けるのは時間の経過と共に困難になりつつあります。

もっとも、事態が急変して早期に収束していくシナリオも残されてはいます。とはいえ、現時点ではホルムズ海峡の航行が困難な状況が続いていることに加え、イランと周辺国の資源生産拠点をお互いに攻撃しあうという状況となっており、生産と輸送の両面で警戒感がくすぶっています。

再び話を日経平均の日足チャートに戻すと、足元の値動きは荒いながらも、25日と75日の2本の移動平均線に挟まれる範囲内で動いていて、ひとまずは3カ月間の値動きの中心線である75日移動平均線までのリスクを織り込む格好で下落した後、様子をうかがっている状況に変化はありません。

しかし、この株価と移動平均線の関係という視点で米国株市場を見ると、NYダウ・S&P500・ナスダック総合の主要株価指数は揃って200日移動平均線を下値のサポートラインとするところまで下落しています。200日移動平均線は1年弱の期間の値動きの中心線であり、米国株は日本株と比べて意識している時間軸が長く、イラン情勢の長期化も見据えていると捉えることもできます。

仮に、米国の株価指数がこの200日移動平均線を完全に下抜けてしまうと、下落トレンドが本格化する可能性が高まりますが、それに伴い、現時点で意識している時間軸が短い日本株の下げ幅が大きくなってしまうことも考えられ、実現度はまだ低いものの、「日本株の急落シナリオ」も想定しておく必要があるかもしれません。

 

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