2026年相場の始まりは「スタートダッシュの強気」と、「天井圏の意識」に揺れる

2026/01/09

2026年相場を迎えた今週の国内株式市場ですが、日経平均は大発会となる5日(月)の取引で昨年末終値から1,493円高、翌6日(火)も685円高と、年初の2日間で2,000円以上も株価水準を切り上げる展開となり、スタートダッシュの格好となりました。

年末から年始にかけての米国株市場でAI・半導体関連銘柄が上昇していたことや、米国がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した事態についても、今のところは地政学的リスクの高まりを警戒する動きになっておらず、むしろ、防衛関連やエネルギー関連株が物色されるきっかけとなったことが株価を押し上げたと思われます。

続く7日(水)と8日(木)の日経平均は下落に転じていて、上値を追う勢いはひとまず一服していますが、急上昇による反動が出てもおかしくないことや、週末の米雇用統計の公表を控えた様子見ムード、そして、東証グロース250指数が順調に戻り基調を描き、中小型株にも物色の矛先が向いていることなどを踏まえると、株式市場の先高観は保たれていると言えそうです。

もっとも、テクニカル分析的には、6日(火)の取引時間中の日経平均の高値(52,523円)が、昨年11月4日の高値(52,636円)に届いておらず、このまま高値を更新できなかった場合、日足チャート上に、いわゆる「ダブル・トップ」の天井が形成される可能性があります。

上昇基調を続けるのか、それとも、いったん天井を迎えて調整局面入りするのかを探る大事な局面に差し掛かっています。まずは、週末の米雇用統計の結果を消化し、今月の中旬以降に本格化する企業の決算発表シーズンの動向を見極めて行くことになりますが、PER(予想ベース)で日経平均の状況を確認すると、直近で高値をつけた6日(火)のPERは19.75倍、昨年11月4日のPERは19.34倍となっており、PERの数字上は11月に高値をつけた時よりも高くなっています。そのため、さらなる株価上昇には、企業決算を通じて、好調な利益成長と明るい業績見通しが欲しいところです。

また、ベネズエラに対する米国の行動についても、マドゥロ大統領を拘束するという軍事作戦自体はすでに終了していることもあって、株式をはじめとする金融市場はあまり材料視していませんが、ベネズエラ国民が納得する統治が今後行われるのか、メンツを潰される格好となった中国はどう反応するのか、中国のレーダー網やロシアの対空防御システムが、米国の軍事力や技術力、情報力によって短時間で無効化されてしまったことのインパクトなど、今後の国際情勢を見て行く上での多くの視点を提供しています。

その中でも重要なのは、国連憲章や国際法をベースに保たれていた国際秩序が、ロシアのウクライナ侵攻や中国による台湾への圧力、そして、今回の米国によるベネズエラへの軍事行動などを通じ、「力によって状況を変えてしまう」事態が当たり前になりつつあることです。

したがって、2026年相場は、これまでの安全保障やサプライチェーンの在り方を根本的に考え直す必要が出てくるなど、国際社会の枠組みが大きく変化していく可能性が高まっている点を常に頭に置きながら臨んでいくことになりそうです。

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