日経平均2万円突破になお時間

5月もいよいよ今日が最終日。早くも真夏日が続出する気候になっているが、いきなり暑くなる今の時期は熱中症が多発する時期である。外出時には帽子をかぶる、日傘を差す、水分補給を怠らないなどしてこれからの4か月間を乗り切っていただきたい。さて、遅くなったが4月のモデルポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。

4月のマーケットは日米市場とも上昇する展開となった。

米国市場は反発。3月の雇用統計は悪天候要因で+9.8万人と予想の+18万人を大幅に下回ったものの、失業率が4.5%と2007年5月以来10年ぶりの低水準まで低下。シリアや北朝鮮の地政学リスクに加え、米軍によるイスラム国への空爆攻撃で警戒感。長期金利が2.1%台まで低下し月前半は売り優勢に。第1回フランス大統領選挙において事前予想通りマクロン氏とルペン氏が勝ち進み、決選投票でのマクロン氏優位との報道からリスクオンの展開に。主要企業の決算は好調。ナスダック市場は初の6000ポイント乗せ。4月のNYダウは20940ドルと前月より276ドル上昇し月間騰落率は+1.3%。ナスダックは6047となり136ポイント上昇の+2.3%となった。

東京市場も反発。地政学リスクの高まりや米長期金利の下落を受けて為替が一時108.10円まで買われ、日経平均は一時18200円台まで下落。マザーズ市場も2/7以来の1000ポイント割れに。その後は、フランス大統領選挙や欧米高を好感して買い戻しの展開に。4/25の北朝鮮軍創建記念日において緊張感が高まったものの挑発的行為は見られず、地政学リスクが後退。売買代金は2.2兆円程度で推移。為替は先月末の111.85円から今月末は111.25円へ。4月の日経平均は19196円で取引を終え、3月末の18909円から286円上昇し月間騰落率は+1.5%、Topixは+1.3%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が-1.3%、マザーズ指数は-3.8%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における4月のパフォーマンスは+0.3%となり、年初来+0.2%、累計では+137.2%(3月末+136.5%)と前進。4月末時点のポートフォリオの株式比率は66%で19銘柄を保有(3月末は68%で19銘柄を保有)。株式部分の含み益は+10.2%(3月末は+9.1%)。66%のうち現物株のウェートは26%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計66%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率15%の実質ロング比率は-30%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-35%。トータルでは31%のロングポジションとなり、3月末の33%から若干低下した。

地政学リスクに対する警戒感から円が買われ5か月ぶりに108.10円まで上昇し、日経平均先物は18190円まで下落したが、4月の第4週に入ってようやく買い戻しの展開となった。一番大きな要因は警戒感の強かったフランス大統領選挙において、反EU離脱派にさほど票が集まらず、EU残留派のマクロン氏の優位性が一気に高まったことである。EU崩壊というリスクが後退したため特に欧州市場の上昇が大きくなり、ドイツ市場は過去最高値を更新するなど勢いを見せている。

5月の中旬にて決算発表はほぼ終了し、18/3期の当期純利益は前期比+5%程度の予想となっている。為替の前提は105円~110円に集中しており、108円レベルが業績の上方修正・下方修正の攻防ラインである。現在の為替水準ではやや余裕があるものの、ドル安が続けば業績への期待値が剥がれ落ちてしまうのには注意が必要。日経平均のEPSは1400円程度で現在のPERは14倍であり、過去の平均PER15倍よりもやや割安水準になっている。

5月の日経平均は19988円まで上昇し2万円の大台にあと一歩に迫ったが、ロシアゲート問題でリスクオフの姿勢が強まり急速に円高が進行。再び外部要因によって振り回されるマーケット展開になってきている。日経平均の2万円突破は短期的なポイントであるが、まだしばらく時間がかかりそうだ。

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