しばらく続く膠着相場
今年も3カ月が経過し、いよいよ年度末を迎えようとしている。春は新年度・新学期ということで別れと出会いの季節。ウキウキする気分が高まりやすいが、私のように花粉症に悩まされるものとしては、つらい時期である。さて、遅くなったが2月のポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。
2月のマーケットは米国株の上昇に対して、日本株は閉塞感の強い展開となった。
米国市場は4カ月続伸しNYダウは30年ぶりとなる12日連続過去最高値を記録。1月の雇用統計は+22.7万人と予想の+17万人を大きく上回り、製造業景況感指数も2年3か月ぶりの高水準に。トランプ大統領の初の議会演説は無事終えたものの「歴史的税制改革」や「1兆ドルのインフラ投資」は具体性を欠く内容に。イエレン議長が3月の利上げ検討を表明し長期金利は2.50%まで上昇。2月のNYダウは20812ドルと前月より948ドル上昇し月間騰落率は+4.8%。ナスダックは5825となり210ポイント上昇の+3.8%となった。
東京市場は小反発。月初はトランプ大統領が日本を通貨安誘導と批判。為替が円高となり、10年物国債の金利が0.15%へと急上昇したことも嫌気。東芝の決算発表延期やフリン大統領補佐官の辞任ニュースが重荷となり、米国市場の連日の上昇とは対照的に、円高に阻まれて日本株はついていけず、連日薄商いが続き投資家不在の状況。売買代金は2.3兆円程度で推移。為替は先月末の113.80円から今月末は112.50円へ。2月の日経平均は19118円で取引を終え、1月末の19041円から77円上昇し月間騰落率は+0.4%、Topixは+0.9%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+4.2%、マザーズ指数は+6.6%となった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における2月のパフォーマンスは+0.3%となり、年初来-0.0%、累計では+136.6%(1月末+135.8%)と前進。2月末時点のポートフォリオの株式比率は67%で19銘柄を保有(1月末は67%で19銘柄を保有)。株式部分の含み益は+8.2%(1月末は+8.2%)。67%のうち現物株のウェートは27%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計67%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率15%の実質ロング比率は-30%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-35%。トータルでは32%のロングポジションとなり、12月末の25%から増加した。
2月の日本市場は非常にジレンマの強い相場展開となった。米国市場は1987年1月以来の30年ぶりとなる12日連続過去最高値を更新する一方、本来ならばドル高・円安が進むはずがそうはならず、円高に阻まれて日本株はほとんど上昇しなかった。為替も112円台まで円高が進み、マーケット関係者の多くが期待していた115円からはほど遠い状況となった。
2/28のトランプ大統領の議会演説に対する警戒感が台頭していたが、「驚くべき減税」についての具体的言及はなかったものの、過激な発言がなく大統領らしい振る舞いとの印象を与えてことでようやくリスクオンの兆しが出てきている。米国市場は議会演説で当面の好材料が織り込まれたとすれば、利益確定売りが増えて3月は調整色が強まる可能性もある。日本株は相変わらず自立性に乏しく、海外マーケットや為替に振り回される動きが目立つ。日経平均はあと一歩まで迫った年初来高値を更新するかどうか、がポイントになる。
そして3月に入って日経平均は一時年初来高値を更新したものの、米国市場が息切れしてきたことによって為替は110円台割れの局面もあり、再び19000円を割る展開になっている。主要な欧米市場と比較しても下げ方は大きく、外部要因に振り回されている形だ。第4週において日米市場ともにトランプ相場で最大の下げ幅を記録した。株式市場のみならず為替においても、ややダウンサイドリスクを意識する動きとなっている。
第5週は3月決算企業の配当落ちとなるため、その分の再投資による資金が株式市場に流入して相場全体にプラスに働く材料になるだろう。一方、森友学園の問題は株式市場にとってマイナス要因となる可能性は限定的となってきた。
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