なかなか遠い日経平均2万円乗せ

今年も早や1カ月が経過。昨年とは打って変わって、大幅上昇で始まった日本の株式市場だが、なかなか長続きしない展開が続いている。さて、遅くなったが12月のポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。

12月のマーケットは日米市場とも続伸し、大幅に上昇する展開となった。

米国市場は続伸。11月の雇用統計は+17.8万人と予想通りとなる一方、失業率は4.6%と予想よりも0.3ポイント改善し9年ぶりの低水準。OPEC総会で8年ぶりに減産合意がなされ、原油先物価格が54ドル台まで急騰。予想通りFOMCで0.25%の利上げが決定され、長期金利は2.60%台と2年3か月ぶりの水準に。NYダウは2万ドルの大台近くまで上昇。12月のNYダウは19762ドルと前月より639ドル上昇し月間騰落率は+3.4%。ナスダックは5383となり59ポイント上昇の+1.1%となった。

東京市場も大幅続伸。日経平均は19000円台を回復し年初来高値水準を回復。OPECの減産合意と日米金利格差から118円台まで円安が進みリスクオンの展開が鮮明に。メガバンクや証券、生損保株が牽引役に。日銀は金融再策決定会合で現状維持を決定。中国の11月のPMIは51.7と予想を上回り安心感。売買代金は2.6兆円程度で推移し活況に。為替は先月末の112.65円から今月末は116.65円へ。12月の日経平均は19114円で取引を終え、11月末の18308円から805円上昇し月間騰落率は+4.4%、Topixは+3.3%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+2.7%、マザーズ指数は+2.2%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における12月のパフォーマンスは+1.9%となり、年初来-6.5%、累計では+136.6%(11月末+132.1%)と前進。12月末時点のポートフォリオの株式比率は60%で16銘柄を保有(11月末は49%で16銘柄を保有)。株式部分の含み益は+9.7%(11月末は+9.1%)。60%のうち現物株のウェートは20%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計60%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率15%の実質ロング比率は-30%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-35%。トータルでは25%のロングポジションとなり、11月末の4%から増加した。

11月よりトランプ相場による熱狂が始まっている。大統領選挙前までの売買代金は連日2兆円割れであったが3兆円を超える日もあり、外国人投資家が牽引。一方、売り手は個人投資家と年金という構図である。12月はNYダウの2万ドル乗せが期待されていたが、クリスマス休暇や年末を控えて足踏み状態が続いた。また為替も12/15に付けた118.66円をピークにやや円高トレンドの状況になっている。中小型株が物色される展開となったが、例年見られる新興株ラリーとはややほど遠い状況となった。

1/25にようやくNYダウが2万ドルを突破した。1カ月以上にわたってNYダウは2万ドルの大台を試したもののあと一歩に及ばなかった。このタイミングで2万ドルに乗せた理由は、トランプ大統領が矢継ぎ早に大統領令を発令したことにある。独断色が強いものの「有言実行」のトランプ大統領をマーケットは好感している。NYダウが2万ドル乗せとなれば、日本株にも勢いが出て2万円台を目指す期待値が上がるものの、トランプ大統領の負の面が強く意識され始めており、これまでの強気一辺倒が修正され利益確定売りが強まっている。トランプ政権の理想買いのエンジンはほぼ終わったと見てよい。ここからは3Qの決算発表が重要となってくるが、日経平均2万円乗せはマーケット参加者の期待よりも時間がかかりそうである。しばらくは18500円から19500円のレンジのもみ合いとなるだろう。

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