新大統領の下、新日米関係がドル/円相場の前提を変える可能性

2016/10/17

【ストラテジーブレティン(169号)】

アベノミクスの天敵、円高
円高はアベノミクスの天敵と言ってよい。順調な企業業績も、インフレの着実な上昇も、株価上昇も2013年から続いてきたアベノミクスの成果をすべて台無しにし、今やアベノミクスは失敗したとの論評が、経済論壇を闊歩している。たった半年で20%と言う円高は極めて乱暴で、破壊力があった。

ファンダメンタルズから乖離した円急騰
この円高を米国経済の脆弱化というファンダメンタルズから解釈している市場参加者が多いが、そうだろうか。どう見ても経済実態は米国の方が日本より好調である2016年10月のIMFによる改定GDP見通しでは米国が1.6%(2016)から2.2%(2017)へ、日本が0.5%(2016)から0.5%(2017)へと比較にならない。また金融政策も金融引き詰めが俎上に上っている米国FRBに対して日銀は新次元緩和をイールドカーブターゲティングと言う形で一段と進めた。日本の物価がマイナスに転じ実質金利が高くなったことを指摘する向きもあるが、それこそ円高による輸入価格の下落が引き起こしたもので、因果関係は逆である。日本の国内物価に大きな影響を持つ賃金は、労働需給のひっ迫により名目、実質ともにはっきり上昇し始めているのである。

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