2025年の日本株式展望
~主役はM&Aブームと自社株買い~
【ストラテジーブレティン(372号)】
気迷い趨勢、かえって期待できる
日経平均株価は2024年前半に27%と急騰したが8月には植田ショックで3日間で20%もの急落を記録した。その後は、38000円から40000円のレンジ内での気迷い相場が続き、一時的に高まった長期上昇期待は剥落した。しかし人々が警戒的だからこそ、むしろ展望は明るいのではないか。
米国では経済成長優先、高株価志向の強いトランプ氏の第二期米大統領就任に期待が高まっている。2017年減税の継続や法人税減税に加えてエルネギー増産と規制緩和で企業は一段と儲けやすくなるだろう。景気が減速せず高金利が続くことを警戒する向きもあるが、ファンダメンタルズの強さは、むしろ一段の米国株価上昇をもたらすだろう。
日本景気の好循環が見えてきた
2025年に特に注目されるのは、日本株式であろう。日経平均は25%高の5万円が視野に入ってくると思われる。1ドル150円台の円安が定着しデフレ完全脱却が見えてきた。長期低落してきた日本の潜在成長率が、これから上昇に転ずる可能性が高い。5%近い高賃上げの継続で消費が上向く。設備投資とマンションブーム、ホテルブームで建設業が久しぶりに活況を呈している。外国人観光客の急増が津々浦々の地方経済を潤している。中国に見切りをつけた企業の日本回帰や、海外企業の対日投資はTSMC熊本やラピダス千歳の先端半導体工場建設に続き、本格化していくだろう。
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